第1回 蘇るPC-9801FAのパンフレット
また98ネタですか?
栄えある第1回目にご紹介するのは私が始めて購入したPCのパンフレットです。大掃除をしていたときに本棚の隙間から出てきました。
ことあるごとにPC-9801を紹介する偏った当研究室。
「また98ネタかよっ!」とお叱りを受けそうですが、しばらくお付き合い下さい。
(当時は)時代の先端を走る高速スペック
このPC-9801FAは私が初めて買ってもらったPCです。この98との出会いが私の人生を決定付けたと言っても過言ではありません。
しかしそのパンフレットがよく今まで残っていたものです。
それでは(当時)時代の先端を誇るスペックの数々を見てみましょう。
CPUにはintel486SXを搭載(486とはPentiumの前のCPUの名前です)。
そうです。
これが「次の主流を行く、ハイスタンダードマシン」なのです。
周波数は驚異の16MHz(メガヘルツ)。
今のPCが3GHz(ギガヘルツ。ギガ=メガの1000倍)など誇っているのが夢のようです。
そしてメモリは大容量の1.6Mバイト。増設して最大13Mバイト。
時代の流れを感じずにはいられません。
OSは先進の日本語MS-DOS
当時のPCがこんな貧弱な性能で十分高性能だったのには、その時のOSが非常に"軽かった"ことが挙げられます。
MS-DOS(Ver3.3D)がフロッピーディスク3枚組(そのうち2枚は漢字変換用の辞書データ)ですから、シンプルな構造で堅牢なOSだったことがうかがえます。
現在の主流OSであるWindowsシリーズですら、「よくわからない」「操作が難しい」というユーザーの悲鳴が続出しているのに、当時のパンフレットによると
ところで今、主流であるWindowsは使えないのでしょうか。
ご安心下さい。ちゃんと対応しています。
もっともWindows(Ver3.0A)ですけど…(※)
(※)メモリを最大まで増設すればWindows95は動きます
パンフレットを見ると"あんなことも出来ます。こんなことも実現できます。"と書いてありますが、その隣にはかならず(別売)の文字が。
今と違って当時はOSから別売り。それではPC買っただけで何が出来るんだと思われるかもしれませんが、実はPC買っただけでは何もできません。
(正確にはBasicというプログラム言語で遊べますが、作ったプログラムが保存できないのではどうしようもありません。)
驚異の殿様プライス
ここまでくれば後は気になるのは、お値段。
きっと最先端のお値段を提供してくれるに間違いない。
今から思えば信じられない値段ですが当時はこれで当たり前。
いかにPC98が全盛を誇っていたか、窺い知ることが出来ます。
一番安くて46万円、ハードディスクを100MBつけるとなんと65万円にもなります。(ちなみにディスプレイ、OS、マウスなど全て別売)
実は私がPC-9801FAを買ってもらって、半年後にPC-9801BX(CPU=i486SX(20MHz)、Memory=1.6MB)が22万円で発売されました。この時の衝撃は今でも忘れられません。
そして、この事実を未だに親に告白できないでいます。さすがにもう時効だと思いますが…。
今でも現役機
PC-9801FAを購入して今年(2004年)で12年経ちます。
もはや粗大ゴミ以外の何ものでもないような気がしますが、いまだに最初に買ってもらったPC98は捨てられないでいます。今では年に数回しか電源を入れることはありませんが我が家の現役機です。
…特に用途があるわけではありませんが。
人からは粗大ゴミとか散々な言われようですが、自分にとって色々な思い出が詰まったこのPC98は存在しているだけで価値があるものだと思っています。