第2回 98エミュレータ(Anex86)の使い方
PartI Anex86の始め方
1.はじめに
すごいPC98エミュレータがあったものです。
第1回で紹介したエミュレータ「T98-NEXT」は、BIOSイメージ取り出したり(※なくても動きます)するためにPC-9801の実機が必要なのがネックでした。
いくらかつて日本を席巻し"パソコン=PC-9801"という時代があったとは言え、製造を中止して幾星霜。次第に中古市場から98の姿が消えるようになってしまいました。
そんな「PC-9801が手に入らない!」「本体持っているけど電源が入らない」という愛すべきPC-9801ユーザにオススメなのが、今回ご紹介する「Anex86」。
今あなたの手元にあるWindowsパソコン(DOS/V機)一台あれば、最初から最後まで全て事足りるのです。
つまりAnex86があれば、PC98のソフトを動かすのにPC-9801実機はもう必要ないのです。
PC98のエロゲーアプリケーションを動かすのに、PC-9801実機を持っていなくても良いなんて……。
これで幸せになれるなんて、なんて良い時代になったんでしょう。
2.Anex86って?
Anex86は正確に言えばPC-9801のエミュレータではありません。当時、NEC製のPC-9801は日本中を席巻していましたが、
あまりの高額な価格(蘇る骨董品たち - 蘇るPC-9801FAのパンフレット参照)に不満を持つ人もいました。
そんな中、EPSONがPC-9801ソフトが動く互換機パソコンを低価格(しかも同価格帯のPC-9801シリーズより高速)で発売していました(蘇る骨董品たち - 蘇るパソコン購入読本(1)参照)。Anex86はこのEPSON製パソコンのエミュレータです。
Anex86のreadme.txtには次のように書かれています。
何となく昔の PC-286 のゲームをやってみたくなったのでエミュレータを書いてみました。PC-286/386/486/586 シリーズのエミュレータです。
……エミュレータなど、とても"何となく"作れるものではないと思うのですが。制作者のA.N.さん、天才すぎ。
ちなみにこのAnex86はシェアウェア(価格:1,155円)です。最近では聞き慣れない言葉ですが、簡単に言えば「無償で使えるけど、継続して使う場合には開発費をみんなで負担(シェア)してね」ということです。
ですので、試しに動かしてみて気に入ったら制作者に是非送金しましょう。
Anex86は、Windows95/98/Me/NT/2000/XPで動きます。
3.準備するもの
- PC-98のディスクが読めるフロッピーディスクドライブ。
- ディスクイメージを作成するのに、3modeと呼ばれるフロッピーディスクドライブは必要です。
- Anex86ファイル
- Anex86の公式サイトからもダウンロードできますが、Vector-Anex86がオプションファイルも全部入りなので便利です。
- その他のツール
- DiskExplorerももちろん使えます。
- MS-DOSのシステムディスク、またはイメージファイル
- いまどきDOSなんて持ってる人なんているのか?
- MS-DOSの知識
- cdとかdirとか知っていればなんとかなります。
- EPSONチェック解除ソフト
- DISPELLがVector-DISPELLからダウンロードできます。詳しくは後述。
準備はできましたか?それでは次の項目からAnex86をインストールしましょう。