第3回 蘇る選択体育個人記録ノート
早くも3回目にしてネタ切れ?
第3回にして早くもネタ切れの様相を呈してきたこのコーナー。
しかし筆者の家は歴史の浅いごく普通の家なので、そうそう珍しい骨董品が都合よく転がっているわけもありません。
骨董品の珍しさから言ったら、私の友人が紹介しているこちらの品の方がはるかに骨董品らしいですし…。
新たな骨董品(←ネタ)が見つかるまで、個人的な品で申し訳ありませんが、先の大掃除で発掘されたこの品で場を繋ぐことにします。
体育授業の個人記録ノート
どこの高校でもよくあることかもしれませんが、体育の授業で活動ノートに日々の授業内容を記録し、最後にノートを提出し評価を受けるというような教育活動があると思います。
筆者が通っていた高校でも、そんな教育活動がありました。その一つがソフトボールの授業で使用した「選択体育個人記録ノート」です。
…しかしよくこんなものが今日まで残っていたものです。
選択体育の個人記録ノートは授業前に本時の目標を設定、授業後に各項目について自己評価をA,B,Cで記録。さらに授業の反省と感想を記述するといった内容でした。
授業評価の観点
1ページ目には「3年生選択制体育について」と題して、授業評価の観点が記述されています。
そして授業の評価として、
(中略)
選択制授業を行い、以下のことポイントに評価します。
(1)安全面に留意し、各人の役割を果たせたか。
(2)協力し合いながら、計画的、主体的、意欲的に活動できたか。
(3)相互に助け合いながら、創意工夫し、技術の向上が図れたか。
と謳っています(なんだか微妙に脱字がありますが気にしてはいけません)。
さらにダメ押しとして、
と書かれています。
お題目も自分次第
通知表の評価に繋がる記録ノート。本来ならば真剣に記述しなければなりません。
まずは最初の授業の記録から見てみましょう。
色々と突っ込みどころがあるかと思いますが…。
会社でこんな報告書を書いたら、その人の会社内での地位は2度と回復することはないでしょう。
高校生のオレ。恐るべし…。
しかし、これはまだましな方かもしれません。
9月26日月曜日 4時間目
(本時の活動内容)
ゲーム
(本時の目標)
塁に出る
(反省・感想)
打順が一度しかまわってこなかったので塁に出るチャンスはなかった。
10月3日月曜日 4時間目
(本時の活動内容)
ゲーム
(本時の目標)
(反省・感想)
まぁまぁの活躍。
果たしてこれでいいのでしょうか。
こんな内容なのに毎回、毎回検印のサインをして下さる瀬戸先生はなんて心が広いのでしょう…。
今、改めて読み返してみて、あまりの内容に顔から火が出そうです。
私の壊れっぷりは、ますます加速していきます。
10月20日木曜日 5時間目
(本時の目標)
ホームランを打つ
(反省・感想)
打てなかった。
10月24日月曜日 4時間目
(本時の目標)
エラーをしない
(反省・感想)
してしまった。
10月28日金曜日 4時間目
(本時の目標)
チームに貢献
(反省・感想)
寒かった。
11月4日金曜日 4時間目
(本時の目標)
健康に留い
(反省・感想)
かぜをひいた。
11月11日金曜日 4時間目
(本時の目標)
全打席ホームラン
(反省・感想)
目標が果たせなかった。
もはや日記レベル以下……。
それ以前にこの文章を書いているのが18歳の高校生という事実に愕然とします。
そして授業も終わりに近づくと日記レベル以下の記録ノートは最終形態を迎えます。
筆書き?
しかも甲、乙、丙って……。
いやいや。
突っ込むところはそこじゃないだろ。
「ソフトをハードにやる」って、なにかのギャクのつもりか?
後はラストまでこの調子で続きます。
11月28日月曜日 4時間目
(本時の目標)
なんとしてでも本塁に帰る
(反省・感想)
二塁止まりでした。
12月1日木曜日 5時間目
(本時の目標)
チームに貢献する
(反省・感想)
足をひっぱってしまった。
12月16日金曜日 5時間目
(本時の目標)
2学期最後を飾る
(反省・感想)
ライトフライに終わってしまいました。
けれど自由に夢を語れた時代
思えば当時は世の中を知らなかったこともありましたがよく知らなかったからこそ、自由な発想で、自由に考え、夢を語っていたように思います。
今のように上司の評価を気にしながら仕事をするのではなく、自由に考え自分の考えを述べていたからこそ、くだらないことも多かったけど面白いアイディアも浮かんでいました。
そして、なによりもそういったものを受け入れる空気がありました。
その当時の集大成の一つが、この個人記録ノートだというのはかなり誉めすぎか。
そして、今回のまとめはちょっと強引すぎか……。