■食い倒れマップ(5)
大須観音を見たときに、ふとミズノ氏が
「本物のみたらし団子って食べたことある?」
"ホンモノ"と何だ?訝しげに尋ねる私。
だいたいみたらし団子といえば柔らかい団子が串に刺さっていて、これまた甘いタレがか
かっているものでは?
「それは間違ってる。名古屋のみたらしは甘くないから」
彼の言う"本当のみたらし団子"を味わうべくやってきたのが大須観音近くにある売店。
△これが本当のみたらし団子・・・?
名古屋のみたらし団子はなるほど、濃い醤油味でした。
よく焼いてある団子(←しかも固い)に濃い醤油味のタレ。
たしかにこういうみたらし団子もあるのかな。とみたらしに対する認識を新たにしました。
・・・でもなんだか"みたらし団子"というより"どんど焼き"の団子みたい。
◇ミズノ氏のルーツ(その5)~名古屋市科学館
我々が観光名所めぐりをしている間に、やっと名古屋に到着しそうなSに「プラネタリウ
ムの中で待ってろ」と伝言を残し一足先に科学館の中に。
物理学者としてのミズノ氏のルーツはここにあると言っても過言ではないと思います。
小学生のころ彼は(本当かどうか知らないが)毎週のようにこの科学館に通っていたらし
い。
身近に科学触れる環境が彼を研究者としての道を歩ませたに違いありません。
△プラネタリウム
プラネタリウムを見るのは久しぶりなので、自分もちょっと興奮ぎみです。
今月のテーマは「すばる星団」
館内が暗くなりいよいよ公演開始。
アナウンス「・・・夕方になるとこのような星が見えてきます」
すると天井になにやらOHPで写したようなショボイ星が出てきます。
おいおいおい、大丈夫かよコレ。
最初は心配していた私でしたが、これはただの前フリ。
やがて天井には無数の星が浮かび上がり、もう都会では決して見ることの出来ない満天の
星空に館内からは思わず「お~っ」という声がわき起こります。
投影装置、パワー全開です。
話の内容は古典「枕草子」とうまくリンクさせたよく練られた展開に私はただただ関心す
るばかり。
公演時間は60分。
やがてプラネタリウムは再び明け方になり、「おはようございます」という粋なアナウン
スでプラネタリウムは終了。
久々に星の世界を堪能できました。
周囲を見回すといつの間にか館内にSがいました。
どうやらギリギリ上映時間に間に合った様子。
彼にプラネタリウムの感想を聞いてみると
S「・・・良かったんだけど・・・う~ん・・・目新しさがないというか、進歩が感じら
れない」
などと井筒監督もびっくりの辛口批評。
そもそも星の解説が主なプラネタリウムに"進歩を感じる"もなにもないと思うが。
プラネタリウムにかなり満足していた私とミズノ氏がSにどこがつまらなかったのかと問
いつめると、
「え~と・・・枕草子がどーのこーのというところは覚えているんだけど・・・・」
しどろもどろのS。
確か枕草子のくだりは上映開始10分ぐらいのところ。
つまり、
ほとんど寝ていたらしい。
8割以上寝ていたくせに、なにが"進歩が感じられない"だ。
むしろ進歩がないのは、お前の方じゃないのか。
その後は科学館の中を見学。
高校理科で学ぶ"科学"を気軽に体験することができます。
物理の分野に限って言えばローレンツ力、波の性質、光電効果...etc
授業では教科書で覚えてそのままスルーされていた内容がここでは実際に起こりうる身近
な現象として体験することができるのです。
「ローレンツ力で動く鉄の棒ってこんなに速く動くのか」
「なんで高校の授業でこういうの実験しなかったんだろう」
中学、高校、大学...と物理を専門に学んできた我々ですら驚きを隠せませんでした。
小さい頃この科学館で科学を体験したミズノ少年がいたからこそ、今日の物理学者ミズノ
氏がいるのではないでしょうか。
(もっともミズノ氏曰く、「当時は何かわからずに、ただ面白がって備え付けのハンドルを
グルグル回していただけ」らしいのですが・・・)
見学に来ていた子供達も"体験できる科学"に興味津々の様子。
この中から将来、研究者を志す子供がいるかもしれません。
科学を体験すれば科学はもっと面白くなる。
この名古屋市科学館は理科教員を目指している自分にとって一つの方向性を受けたような、
そんな場所でした。
△名古屋市科学館のパンフレット
■食い倒れマップ(6)
「やっぱり名古屋に来たら"味噌煮込みうどん"でしょう」
というわけでやってきたのが「山本屋本店」。
山本屋本店は名古屋市内に支店がたくさんあるので、どの店も同じ味が食べられるのです
が、ミズノ氏の「店の雰囲気が最高」という理由で選んでくれたのが、ここ桜山店。
△味噌煮込みうどん
鍋蓋にたまごの黄身を溶かし、うどんを黄身につけて食べるのが通のやり方(らしい)。
うどんだけで食べると味噌の味が濃すぎてかなりキツイのですが、黄身につけて食べるこ
とでまろやかになり、美味しく食べることが出来ました。
黄身のあるなしでここまで味が変わるとは正直驚きでした。
この味にはハマってしまいそうです。
ちなみに。
名古屋には「山本屋本店」と「山本屋総本家」という味噌煮込みうどん専門店があり、
互いに「うちこそ元祖!!」といがみあっているらしい。
(この紛らわしい名前に名古屋人は戸惑わないのだろうか…)
△名刺からもライバル心がうかがえる
「山本屋本店」と「山本屋総本家」は、それぞれ別の店(当然味も違うByミズノ氏)なの
で名古屋に来たときには両店の味を比べてみるのはどうでしょう。
◇ミズノ氏のルーツ(その6)~東別院
我々は熱田神宮に行く前にミズノ氏にある東別院という寺に案内されました。
えらい寒い中を凍えながら長時間歩かされ、ようやく到着。
なぜ彼がこの寺へ我々を案内したのか不明ですが、我々はよくわからないまま参拝。
パンパン。
「来年こそは教員採用試験に合格しますように・・・」
なんの神様が祭ってあるのかわからないけど、まぁこんなものだろう。
ミズノ氏が今回の旅の最後にして最大のゲストのぐち君に出演交渉をしている間、あまり
の寒さに脳神経が切れたのか、またもSが炸裂。
「・・・名古屋でね、初めて行ったお店がね。すごい汚い店で女の子も"さすがにこれはね
ぇだろう"って子で・・・」
などと、事もあろうに本堂の前で名古屋の風俗体験公演が始まりました。
後でミズノ氏にこの寺に来た理由を聞くと、この寺にはミズノ氏のご先祖様達が永代供養
されているという。
それで滅多に名古屋に帰られないミズノ氏が、せっかく(遊びでも)名古屋に帰ったのだ
から墓参りをしようということで立ち寄ったとのこと。
言うなればここはミズノ氏にとって神聖な場所。
その神聖な場所の目の前で風俗の話を始めるとは・・・。
S、恐るべし・・・。
(つづく)