第1回 Linuxで自宅サーバのススメ

そもそもサーバって何だ?

自宅サーバの導入をおススメする前に、そもそもサーバって何でしょう。

サーバにはいくつかの種類があります。一番身近なのはWebサーバと呼ばれているサーバでしょうか。最近のブログブームのおかげで、ホームページやブログを持つ人が増えてきました。大抵は「俺もブログを書くぞ!」と一念発起したら、どこかのプロバイダ(Biglobeとかplalaとか)に申し込んで、ブログ用のスペースを有料あるいは無料で借りると思います。

で、InternetExplorerなどでプロバイダから指定されたアドレスにアクセスすると、なんか作成画面が表示されてキーボードで記事をパカパカ打ち込めば、マイBlogの出来上がりです。

それでは一生懸命パカパカ打ち込んだ文章はいったいどこに保存されているのでしょう?サーバ(この例の場合はWebサーバ)とはこのような文章を保存して、多数の人間がInternetExplorerなどで指定されたアドレスにアクセスすれば、ホームページやブログを表示するモノです。

そんな仕事をやっているのがサーバなのです。

サーバはいつ「ホームページやブログを表示してくれ」という要求が来るかわかりませんので、24時間動いていなければなりません。またプロバイダのサーバはどこにあるかわかりません。ひょっとしたら都心にあるビルの厳重に鍵をかけれられた部屋の中にあるかもしれないし、北海道ひょっとすると海外かもしれません。自宅サーバはそれが自分の家にある。たったそれだけの話です。

プロバイダのように会社が運営しているサーバと同じモノが自分の家、ひょっとしたら目の前で動いている-それだけでなんだかすごいことのような気がしてきませんか?そしてこの時代、そんなことがちょっと慣れれば誰でも結構簡単に実現できてしまうのです。

自宅サーバのメリット、デメリット

自宅サーバのメリットは?

こう煽ってはみたものの、自宅でサーバを作るメリットはなんでしょうか(なんか無駄に電気代を喰うPCが増えるだけのような気も......)。

一つはファイルを置くスペースが無制限(みなさんのハードディスクの容量次第)ということでしょう。一昔前はプロバイダのホームページ容量はたかだが10MB程度。文章だけならよいでしょうが、旅行に行ったときの写真をガンガン載せればあっと言う間に容量オーバー。

最近はプロバイダも湯水の如くホームページ用の容量をくれる(100MBとかそれ以上とか)のでこのメリットは薄れてきたのかもしれません。しかし、しかしです。ホームページやブログとして使うには十分だとしても、あんなエロ動画やこんなゲーム・・・ケフン、ケフン。もとい、旅行の時に撮影した動画などを友人に渡すにはまだまだ容量は少ないのです。

一緒に旅行に行った友人(恋人)に「旅行のときの動画や画像を自宅サーバにアップしました。アドレスはxxxxxxです」などと伝えることが出来ればなんてクールなんでしょう。友人や恋人のアナタを見る視線が変わることはもはや間違いないのです(←ホントか?)。

もっとも相手がパソコンを持っていなかったり、インターネット環境がダイヤルアップではあまり効果はありませんが......。

もう一つのメリットは掲示板やアクセスカウンタ(これらは一般的にCGIプログラムなどと呼ばれます)などが自由に設置できることでしょう。

プロバイダの中にはセキュリティへの懸念から、プロバイダ指定のダサイ(←死語)アクセスカウンタやショボイ掲示板しか許可していないところもあります。多少、自己責任な面があることは否定しませんが、あなたの好きな掲示板やアクセスカウンタを設置することができれば、ホームページやブログがより一層充実することは請け合いです。更新しようというヤル気も沸いてこようと言うものです。

さらに自分のホームページやブログに好きなドメイン(ドメインとはこのサイトで言えば、http://xinn.dyndns.orgの"xinn.dyndns.org"の部分のこと)をつけられます。ホームページやブログのタイトルに関連した名前が自由につけられるのです。これだけでもやってみる価値があるのではないでしょうか。

デメリット・・・

当然デメリットもあります。

一つは面倒臭いこと。しかしこれは慣れてしまえば問題ありません。要は慣れの問題です(と、言いつつも筆者も慣れているとは言い難いのですが......)。

もう一つはセキュリティです。

インターネットの世界にはどういうわけか悪い人がたくさんいます。その悪い人たちはサーバを攻撃してあわよくば、みなさんのサーバに侵入してイタズラをしてやろうと日夜しのぎを削っているのです。現実世界にも泥棒さんがいるのと同じことです。自宅サーバの管理者となったからには、常にセキュリティの勉強をしてネットの世界に迷惑をかけないようにする義務があるのです。

・・・と、今まではそう思われてきました。

しかしご安心を。

ある事件をきっかけに、セキュリティ対策を怠ってサーバに侵入され最悪顧客情報が盗まれても、それは侵入した人間が悪いのであってサーバ管理者に法的責任は問われないことが明らかになったのです(サイバーノーガード戦法)。

ま、これはさておき。

ネットの世界でも現実世界でも人様に迷惑をかけない最低限のお勉強が必要なことは言うまでもありません。