第51回 東京湾フェリー~日本寺大仏・地獄のぞき
東京から電車とバスのみを使って、しかも日帰りの探索となると、千葉県はなかなか足が向かない場所になってしまいます。
やはり東京湾をぐるっと回らなければならないのが最大のネック。
そんな中、偶然 駅に置いてあるJRのパンフレットに鋸山が掲載されていました(←暇があれば旅パンフレットを見ています。面白いですよ)
そこに書いてあった"地獄のぞき"、"日本一の大仏(石造)"……。衝動的に見てみたくなりました。
「でも千葉。しかも房総半島の先…」諦めかけていたときフェリー航路の存在を知りました。
普段の探索もそんなにしっかり計画を立てるわけではありませんが、今回の旅はとにかく衝動的。
下調べはしていないわ、帰りのフェリーに間に合わなくなりそうになるわで、とにかくずっと休む間もなく急ぎ通し。
期待していた地獄のぞきは正直いまいち……でも大仏は感動しました。
鋸山 日本寺
開山
日本寺は今から約1300年前、聖武天皇の勅詔と、光明皇后のお言葉を受けた行基菩薩によって神亀2年(725年)6月8日に開山されました。
開山当初法相宗に属し、天台宗、真言宗を経て徳川三代将軍家光公の治世の時に曹洞禅宗となり、今日に至っております。
日本寺は開山当時、七堂十二院百坊を完備する国内有数の規模を誇り、良弁、空海、慈覚といった名僧が留錫(りゅうしゃく) したと記録されています。良弁僧正は木彫りの大黒尊天を彫られ、 弘法大師(空海)は100日間護摩を焚かれ石像の大黒尊天を彫られました。
仁王門の金剛力士像は慈覚大師の作と伝えられています。
御本尊 薬師瑠璃光如来
日本寺の御本尊は薬師瑠璃光如来です。東方浄瑠璃世界の教主で、瑠璃光を以て衆生の病苦を救い、病苦を救う医薬の仏様です。 左手に薬壺を持っているのが特徴です。
鋸山 日本寺 webサイトより
久里浜港の乗船カウンター。ここからフェリーに乗って千葉を目指します。
乗船する"しらはま丸"が接岸しています。金谷港からの車やバイクが続々と降りていきます。
1Fの客室。人だけの乗船はあまりいないのか、車からの乗客が上がってくるまではガラガラです。
2Fの売店。船旅というとテンションが上がって無駄に食べ物を購入したくなる。
2Fの客室。今はガラガラだが、車からの乗客が上がってくるといっぱいになります。
デッキに出てみましたた。広々とした青空が気持ち良い!でも季節柄ちょっと寒い…
いよいよ久里浜港を出航。約40分の船旅ですが、港内で回頭して港を出るまでに10分もかかりますw
フェリーにくっついてカモメやトビがお見送り。賑やかに飛び回っています。楽しい船旅になりそうです。
いや…こいつら乗客が投げるエサを狙っているんだ。船長は物を海に投げるなとアナウンスしていたが、売店にかっぱえびせんがある時点で(ry
ペットを抱いて手すりから犬に海を見させている夫婦。動物虐待じゃなかろうか。
世界有数の混雑で知られる東京湾 浦賀水道。はっきり言って船大杉。よく事故が起きないものだ。
フェリーから都心方向を望む。奥に小さくうっすらかかる白い橋が東京湾アクアライン。写真じゃ全然わからん。
先に見えるのが千葉 房総半島。相変わらずカモメやトビがエサを狙って旋回している。
金谷港が見えてきました。40分を感じさせないあっという間の船旅でした。
金谷港に降り立ちました。港の周辺は賑わっていますが、少し歩くとすぐ寂れた町になります。
徒歩で来た人はみんな鋸山を目指すんじゃないかというほど鋸山しかない。
奥見えるのが鋸山。石を切り出した後の山が鋸のように見えることから名づけられました。
鋸山ロープウェイまでは港から徒歩10分ぐらい。駐車場に入るために車が渋滞中。なんでこんなに混んでるの?
チケット売り場。なんでこんな人が並んでいるのか?ありえない。
山頂から地獄のぞき・百尺観音まで往復40分。大仏まで往復1時間30分~2時間。結構歩きます。
山の斜面に鋼鉄のロープを張って客乗せてゴンドラを上げようとという考えが狂っていると思う。
鋸山山頂(329m)の立て札。が本当の山頂(三角点)はここから40分歩いたところにあるらしい。
晴れの日を狙って出かけたのだが、残念ながら雲が出てきました。晴れの日は富士山やスカイツリーも見えるとか。
鋸山全体が日本寺になっていて、東口から切り立った岩の間を歩いて地獄めぐりを目指します。
垂直に切り立った岩の谷がすばらしい。人が作り出した景色でもまた違った良さがあります。
そして見えてきました!これが地獄のぞき……。岩の上に乗っているのは勇者か、それとも き○がいか。
地獄のぞきに上がるのが難易度が高い。階段なんてない。バリアフリーを逆行している。
地獄をのぞいてみた……。でも手すりが手前にありすぎて拍子抜け。人がいる場所に百尺観音がある。
見下ろした地獄に百尺観音がいるわけで……「お前の寺には地獄に観音様がいるんかい!」そう考えると微妙。
もう一つの地獄のぞきから下を見下ろす……あまり怖くないなぁ。
羅漢像は大野甚五郎英令が門弟27人と約21年の歳月をかけて彫ったもので約1553体あるという。
こんな急階段を登るのはそうとう辛い。女子高の修学旅行コースに最適だと思いますよ!せんせー。
階段を上がったり下りたり30分。膝が言うことをきかない中でようやく大仏へ。
梅の花と大仏。ちなみに奈良の大仏の約2倍あると聞けばでかいと思う。
大きさ的には牛久大仏の120mには負けるが、岩を掘り出した重厚感に感動しました。
大仏こそ日本寺の御本尊"薬師瑠璃光如来"。大仏が薬壷を持っているのが特徴。
もう一つの名物"お願い地蔵"。この地蔵のまわりにある石みたいなのは…
全部ミニ地蔵。これだけ大量にあっては下の方のお願いなんて押しつぶされているのでは。
時間がなくてトレイルラン状態で見学。"あせかき不動"ってこんな山の中にあったら汗かくわ。嫌味か。
彫った岩のトンネルにおいてある羅漢像。漫画版ナウシカを思い出して切なくなる。
明治の廃仏毀釈の影響で羅漢像も荒廃してしまい復興が目指されているが、この修復は適当すぎる。
聖徳太子の幼少期の像。なぜここに聖徳太子がいるかは謎。そしてわりと新しめ。
再び山頂に戻ってきて最後に地獄のぞきを地獄から見上げます。下から見ると結構高い。
地獄のぞきの下にいるのがこの百尺観音(約30m)。6年の歳月をかけて彫られ昭和41年に完成した。
大仏と同じ高さなのに、このペラペラ感が…もっと彫ってもよかったのに。
再びフェリー乗り場に戻ってきました。こんな食堂に待ち行列ができるのは明らかにキャパオーバー。
JR浜金谷駅にも立ち寄りました。東京湾フェリーの金谷港の賑わいと比べると駅はあまりにも閑散としていて寂しいあまり。ほとんど客が誰もいません。