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■皇紀二千六百六十四(平成16)年 水無月


■過去の日誌



世間様に恥をさらけ出し続けた宮崎の旅もいよいよ最終回。
読者の皆様も「やっと終わりかよ!」など思っているかもしれません。
もう少しご辛抱下さい。

我々が最後に訪れた場所は真名井の滝から少し離れた場所にある国見ヶ丘。
高千穂町のホームページには「秋の雲海は必見!!」などと書かれています。
確かにそんな美しい光景もこの目で見たかったのですが、だいたい季節は初夏前。しかも
雨が降っているという有様。とても雲海などは拝めそうにありません。
そして風光明媚な景色に関係なく、我々の旅は最後まで「水曜どうでしょう」と同じ景色
を撮影する旅。

ここ国見ヶ丘にもどうでしょう班は訪れています。
最後に撮影するのはこの風景。

写真 最後の目的地(「水曜どうでしょう」より)

これは難しいぞ。

国見ヶ丘への入り口を入ると以降はひたすら上り坂。
「水曜どうでしょう」のスタッフや出演者たちが手がかりにしていたのは次のポイントで
した。

  • (見えないけど)川の合流地点。
  • 手前に見える三角山。
  • 奥に写っている山々の形。
  • 写真 捜索ポイントは3箇所

    私とミズノ氏もこれらのポイントを手がかりに同じ場所を探します。
    レンタカーで山道を少し走らせては止め、車を降りて「水曜どうでしょう」の画像と見比
    べる・・・こんな地道な作業をただひたすら繰り返します。

    そもそも同じ場所を撮影したからといってどんな得があるのか。
    それを言い始めたら今回の旅が全て否定されてしまうわけなのですが(^_^;)。
    午後から復活したミズノ氏は、この”三角山探索”に執念を燃やしていましたが、私は
    正直なところ、どうでもよくなってかなりヤル気のない状態。
    信長の野望で言えば士気0ってところですか。
    士気が足りなければ兵士は逃げてしまいますぞ。

    なかなかヒットする撮影ポイントは見つからず。
    いったい「水曜どうでしょう」のスタッフたちはどこで撮影したのでしょう。
    最終的には我々は上の写真のみならず、「水曜どうでしょう~日本全国絵はがきの旅2」
    を車の中で再生し始める始末。
    そこでスタッフたちが右カーブがある道路で車から降りるシーンが一瞬映っていること
    を突き止め、その場所を中心に探し出すことに。

    ミズノ氏の執念恐るべし。

    しかしここは山道。
    右カーブなんて場所はいくらでもあります。
    我々は彼らはもっと高い位置まで行って撮影したのではないだろうか?という結論に達し、
    もう少し車で上がってみることにしました。

    ところが折りしも天候は雨。しかもここは山。
    頂上近くの撮影ポイントに行こうとすると、

    写真 まっ白けっけ

    ある意味、雲海は拝めましたが(´・ω・`)

    こりゃぁいくらなんでもダメだな。
    でもせっかく苦労してここまで来たのだから証拠に写真を撮っていこう、ということで
    撮影したのがこの1枚。

    左:「水曜どうでしょう」より
    右:われわれ
    写真 写真
    たぶんこの辺の景色・・・かな?

    まぁこんなものか(←かなり妥協)。
    残念ですがお天道様には敵いません。
    一方の私はここからまた3時間車を運転しなければならないことに相当うんざり。
    この辺りではかなり機嫌が悪くて、国見ヶ丘にいる間はほとんど黙っていました。

    宮崎空港への帰路は来た道をそのまま引き返せば3時間で宮崎空港付近に到着できるは
    ずが、レンタカーに搭載されたカーナビは何度、経路検索をやり直させても、頑なに大
    分県経由高速道路のルートしか示しません。
    ちなみにそのルートだと有料の上に予想所要時間は4時間30分。

    いつまでも、あると思うな親と帰りの飛行機。

    まさかこのカーナビ、”宮崎県潤い仕様”になっていて、

    無知な観光客を有料道路にさりげなく誘導→赤字路線に車を走らせる→宮崎(゜д゜)ウマー

    ってな官民癒着構造になっているんじゃねぇだろうな。
    なぜか地方物産店やみやげもの屋が異様に地図に登録されているとか…さりげなく観光地
    経由ルートが優先される
    仕組みになっていたり。
    ・・・ありそうで怖いぞ。
    っていうか走っている最中にずっと

    ピンポーン♪「ルートを外れました」

    と、しゃべり続けるのは止めろ。
    この馬鹿カーナビ(略してバカーナビ)。
    知ってて走っているんだYO!!

    結局宮崎市街でラッシュに巻き込まれ、かなり遅れたもののなんとか飛行機には間に合い
    ました。
    20時30分頃には羽田空港に飛行機は無事降り立ち、我々の宮崎の旅は終わりました。
    思えばほんの昨日の朝、ハァハァ息を切らせながらこの羽田空港から飛びだったことが
    遠い昔の出来事のようです。
    旅行といえば日常の疲れを癒すことが目的だと思っていましたが・・・まさかこんな過酷
    な旅行があったとはね。
    つらい出来事も今となっては楽しい思い出です。

    この旅をもう1回やれと言われたら・・・たぶん断るだろうけど。
    みなさんも一度はこういう旅行はいかがですか?

    この山々の風景は神話の時代から変わらない・・・
    写真
    (おわり)



    2日目は神々の宿る町、高千穂町へ。
    現在午前10時。
    飛行機の時間は宮崎空港を19時なので、それまでに片道150km離れた高千穂町へ行き
    「水曜どうでしょう」と同じ風景を撮影。再び150km走り空港まで戻るという強行スケ
    ジュール。

    私   「・・・・・・・・・・」
    ミズノ氏「・・・・・・・・・・」

    昨日の元気はどこへやら。
    車内はどんよりした空気が蔓延していました。
    私は敗戦のショックはあったものの比較的元気だったのですが、ミズノ氏が二日酔いで完
    全にダウン。
    さっきから「あ~」だの「う~」だのヤル気のない発言を繰り返しています。
    二人旅で片方のヤル気がなくなれば士気は壊滅状態。

    高千穂行くのやめて、シーガイアでまったり過ごしますかぁ~?

    そんな発言さえ飛び出す始末。
    しかし私はせっかく宮崎に来たのだから高千穂町に行こうと強硬に主張。
    高千穂町に行って帰りの飛行機に間に合うか心配だけど、14時まで行ける所まで行って
    駄目だったらそこで引き返すことになりました。
    と、言うのも。
    日本史が好きな私は宮崎で一番行きたかった所が、古事記に出てくる神々が祭られる高千
    穂だったからです。

    国道10号線を北にひた走ります。
    始めは絶不調のミズノ氏も昼を過ぎるころには復活。いつものテンションに戻ってくれま
    した。
    車を走らせること3時間。
    13時30分、高千穂町到着。

    写真 本当に神々がいそうな高千穂

    ■高千穂神社編

    高千穂といえば、五穀豊穣や豊猟を感謝し一年の無事な生活を祈る地域の祭り「神楽」。
    しかし「神楽」は11月~2月の間に行われるもので、6月のこの時期は明らかにシー
    ズンオフ。
    つまり言ってしまえば、観光客なんて誰もいません。
    そんな中、我々は小雨の降りしきる高千穂神社に向かいました。
    時間もあまりないことですし、早速撮影です。

    左:「水曜どうでしょう」より
    右:われわれ
    写真 写真
    参拝位置を間違えました・・・

    撮影が終われば用はありません。
    次行きましょう。次。

    ■高千穂峡(真名井の滝)編

    高千穂神社から車で走ること数分。
    「日本の滝百選」にも選ばれた真名井の滝に向かいました。
    緑生い茂るV字型の渓谷に流れ込む滝の光景は、あまりに神秘的で美しく見る者の心を
    捕らえます。
    しかし我々にはそんな美しい風景に浸っている暇はありません。
    とりあえず最寄の駐車場(500円)に停め、滝を目指します。

    真名井の滝は橋の上から美しい風景を見るだけでなく、貸しボートで滝のそばを通ること
    ができます。
    カップルでここを訪れ、美しい滝を背景に愛を語らうというのはどうでしょう。
    2人の仲もより一層深まることでしょう。

    しかし高千穂町の案内によると貸しボートは

    ※ご利用のお客様によって自由に漕ぐことができます。

    とあります。
    これってボートを漕ぐ練習をしなければ大変なことになるということですか?
    下手すると2人の仲が深まるどころか、滝から浴びる水しぶきと同様冷え切ってしまう
    かもしれません。

    話が逸れました。
    当初の計画では私がボートを漕ぎ、その風景をミズノ氏が撮影ポイントから撮影するとい
    う話になっていました。
    しかし私がボートを漕いでいると飛行機に乗り遅れそうだったので、仕方なく撮影ポイン
    トから撮影するだけにしました。
    しかし美しい滝を背景にゆっくりと流れるボートの絵は是非欲しい。
    けれども今はシーズンオフ。
    ただでさえ観光客がいないのに、不運なことに今日は雨。
    ボートを漕ぐ観光客なんて天然記念物かもしれません。

    ところがなんという幸運。
    高千穂渓谷をゆっくりと進むボートを発見!!
    さっそく撮影です。
    しかしなんたることか。
    「水曜どうでしょう」で撮影した所と同じ場所(というか、撮影ポイントは1箇所しかな
    かった)は、カメラ好きジジイにより占領されていました。
    分不相応な高いカメラを構え、滝の美しい風景を撮影していました。

    カシャ、カシャ・・・。

    ジジイはなかなか場所を空けません。
    早くしないとボートが視界から消えてしまいます。

    カシャ、カシャ。
    イライライライライラ。

    カシャ、カシャ・・・。
    いらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいら
    いらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいら
    いらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいら。

    あ~、もう!早くどけよっ!!
    さりげなくジジイの後ろから大声で話したりして、「早くそこどけよスペシウム光線」
    放っていたのですがこのジジイにはまったく効かず。
    ジジイの後方から撮影しようにも、どうがんばってもレンズにジジイが入ってしまうので
    す。

    ボートはますます小さくなっていきます。
    このチャンスを逃したら次にボートが来るのはいつになるのでしょう。そして我々には辛
    抱強くそれを待ち続ける時間は残されていないのです。

    カシャ、カシャ。
    カメラジジイ、一緒に来ていたご婦人に「そろそろ行くか」と声をかけている模様。

    よし、いいぞ。
    今ならまだ間に合う。
    どうでもいいから、さっさと消え失せろ。

    カメラジジイ「・・・もう1枚撮っていくか」

    嫌がらせかよ。ヽ(`Д´)ノウワーン

    ようやく占領軍(←カメラジジイ)から領土を解放され、さっそく撮影開始です。

    左:「水曜どうでしょう」より
    右:われわれ
    写真 写真

    ボートは小さいですが、なんとか入りました。
    我々は美しい滝を堪能することもままならぬ状態で慌しく次の撮影ポイントに向かいまし
    た。滞在時間わずか十数分。

    有料駐車場のオヤジが、我々の滞在時間があまりにも短い様子にポカーン ( ゜Д゜)とし
    ていたのが印象的でした。

    (つづく)

    【参考リンク】
    高千穂町ホームページ:http://www.town-takachiho.jp/




    午前4時。

    写真 午前4時(実話)

    がさがさがさがさがさ。
    私は夢うつつの中、周囲が騒がしいのを感じていました。

    ……こんな時間に奴は荷物整理か?

    ごそごそごそごそごそ。
    荷物整理ならもっと静かにやれよ。
    う~ん…こんなに騒がしかったら眠れないじゃねぇか。ヽ(`Д´)ノウワーン

    刹那。

    写真 突然まぶしくなった

    Σ( ̄□ ̄;)

    おいおいおい。
    なに電気つけてるんだよ。

    そして次の瞬間、

    写真 べりっ。

    ΣΣ(゜д゜lll)!!

    ……布団はがされました。

    そして、私の頭上から大声で

    ミズノ氏「やぁやぁ○○○○(←私の名前)!!」

    ミズノ氏「お前はぁ~!!たいそう~甘いものが好きだそうだな!!
         俺をさしおき~魔人と名乗ることはぁ~、いかーん!!」
         いまぁ~この場で~対決を申し込む!!

    私   「なっ、なんだ?」

    写真 果たし状を読み上げるミズノ氏

    パニックを起こす私。
    頭の中がぐるんぐるんと状況把握のために回っているのですが、何が何やらサッパリ訳
    わかりません。
    不詳、この私。
    クールな人間だと自負していたのですが、相当パニックを起こしていたようでこのとき
    意味不明なことを口走っていました。

    この元ネタもやはり「水曜どうでしょう」。
    番組内で主演の鈴井さんとディレクターの藤村さんが旅の先々で甘いモノ早食い対決を繰
    り広げるという企画がありました。
    藤村ディレクターは甘いモノが大好きで、あまりの早食いのため出演者から「魔人」と恐
    れられているのです。

    今回の旅でも当初の計画では1日目に鹿児島に行って甘いモノの早食い対決をしようか。
    という話になっていたのですが、結局鹿児島に行くことは時間的に不可能となり甘いモノ
    対決計画も立ち消えになったのだと思っていましたが・・・。

    あの野郎(ミズノ氏)はこの対決に勝利するタイミングを虎視眈々と狙っていたのです。
    しかも地酒の飲みすぎで二日酔いにもかかわらず。
    ああ、桶狭間。
    今川義元もさぞかし無念だったに違いない。
    奇襲戦法は卑怯ナリ。
    武士(←誰が?)なら正々堂々と正面から勝負するナリ。

    ミズノ氏「はい、ういろう」
    まだ脳の半分以上は寝ている私の目の前に置かれたのは青島海岸で購入した青島ういろう。

    【「甘いモノ対決」ルール】
    5個ある「ういろう」のうち、先に3個食べたほうの勝ち。

    理不尽にもこのような状況下で勝負をすることに。
    しかし売られたケンカは買わねばなりません。
    全力を尽くせば勝利の女神は微笑んでくれるはず。
    目指すは”勝利”の2文字。ただそれだけです。

    レディー、ゴー。

    写真 勝負!甘いモノ対決

    「なんでお前だけ水があるんだよ!」

    ういろうは私の口の中からどんどん水分を奪い取ります。
    ぜんぜん喉を通らない「ういろう」に私は悶絶寸前。
    卑怯にも水を用意しているミズノ氏はどんどん「ういろう」を食べていきます。

    「汚ねぇよ!!」
    私の色々な意味を込めた心の叫びも、ミズノ氏にとってはどこ吹く風。
    私が1個も食べ終わらないうちにミズノ氏は2個食べ終わり、3個目に手をつけ始めてい
    ます。
    敗色濃厚のわが軍勢・・・(´・ω・`)
    先ほどの気合はどこへやら。
    完全に戦意喪失。
    ヤツの勝利宣言も時間の問題となりました。

    しかし事もあろうに、余裕しゃくしゃくのミズノ氏。
    「はい、ちゃんと食べて」
    強引に私の手を取って「ういろう」食べさせようとします。

    写真 強引に食わせる男

    この男。
    どうやら私の無条件降伏を受け入れるつもりは毛頭無く、最後の一兵まで完膚なきまで叩
    き潰すつもりらしい。

    ・・・もうだめぽ。
    2個目を無理矢理頬張って、口の中でういろうと格闘している時に。

    「勝利っ!!!」

    ミズノ氏勝利宣言。
    そして「進め一億、火の玉だ」という覚悟で戦った私は奮戦むなしく、戦艦ミズーリの甲
    板で降伏文書に調印させられたのでした。

    りめんばー、ぱーるはーばー。
    この恨み、いつか晴らさでおくべきか。

    しかし考えてみれば、朝4時に叩き起こされて突然の「甘いモノ対決」。
    よく私がその場でブチ切れなかったものです。
    私も色々と精神的に成長しました。ホントに。

    朝。
    朝食をこれまたお部屋担当の人に給仕してもらい、その後チェックアウトする前に部屋に
    ある桧風呂で面白い映像を撮影しようということに。
    名づけて「朝風呂ショー」。
    ただでさえ忙しい朝に、決死の覚悟で撮影した渾身の1枚。

    写真 お見せ出来ません。

    男ミズノ氏・・・見事な玉砕です。

    チェックアウトを済ませた我々はお部屋担当の人と別れを惜しみ、玄関まで90度お辞儀
    で見送られ2日目の目的地へ向かったのでした。

    綾陽亭。
    本当に素晴らしい旅館でした。
    再び宮崎を訪れた際には是非寄らせて頂きます。

    しかし。
    その素晴らしい旅館をブチ壊す数々の所業。

    本当に申し訳ありませんでした。m(_ _)m

    (つづく)




    宮崎県綾温泉
      酒泉の杜綾陽亭

    緑深き木々
    どこまでも青い清流
    季節ごとに表情を変える大自然の中に
    忘れかけた時間が流れる
    風雅なたたずまいと
    豪華な料理
    工芸品と銘酒の数々

    綾陽亭は現代によみがえった心のふるさとである
    酒泉の杜ならではの地酒を使った酒風呂
    優しい木肌を活かした香り高い桧風呂

    綾の緑とせせらぎが緩やかな時間をお届けします

    チェックインしたのは予定より2時間遅れの18時。
    とても貧乏人には近寄りがたい雰囲気のフロントでチェックインの手続き。
    ここでフロントの人に
    「お食事は何時になさいますか?」
    と聞かれ、19時30分でお願いしました。
    フロントの人は一瞬「えっ!?」とした表情をしたのを私は見逃しませんでした。
    19時30分って食事にしては普通の時間じゃないのか?
    私とミズノ氏はそう考えていましたが、あとでこの時間が遅い時間だったことを知りま
    した。

    旅館の人に今晩宿泊する部屋に案内されました。
    部屋の方はというと………

    広っ!!ΣΣ(゜д゜lll)!!

    まずは玄関。

    写真 何人でもご招待可能

    そして部屋の数々

    写真 写真
    和室
    応接室

    廊下を通って………(←部屋に「廊下」とはこれ如何に)

    廊下には押入れ、お手洗い、洗面所。
    そして廊下の先に

    写真 廊下の先にある脱衣所

    その先の扉を開けると……

    写真 桧風呂(朝風呂用)

    ちなみに各部屋にある桧風呂の他に大浴場も当然の如く存在します。

    なんですかこの広さは。

    というかこの部屋を2人で使うなんて……使い切れません。

    そして綾陽亭の驚愕イベントはこんなものでは終わりませんでした。
    部屋に荷物を置いて、くつろぐこと10分。

    「失礼します……お抹茶でございます

    お抹茶 ΣΣ(゜д゜lll)!!

    ドアを開けると着物を着た女性が和菓子と抹茶を運んできてくれて、我々の目の前でお
    茶を点ててくれるのです。
    この女性。部屋ごとに担当があり、布団の用意、夕食から朝食まで我々の世話を一挙に
    引き受けてくれる、いうなれば付き人。抹茶を持ってきてくれたのは、「私があなたがた
    のお世話をします」という挨拶代わり。

    大抵の旅館やホテルは部屋に通されれば、知らない人が夕食を準備し、布団をひいてくれ、
    用があればフロントへ電話。というのが普通というかむしろ自分も「それが当たり前」と
    思っていました。
    しかし綾陽亭はそうではない。「誰か知らない人」が準備してくれるのではなく、お部
    屋担当の人と会話をして、宿泊は短い間だけど"その人を理解し、信用してもらう"という
    姿勢を取ることでお客様に安心して宿泊して欲しいという、ここならではのおもてなし。
    この世に"格"というものがあるとすれば、綾陽亭は間違いなく最上位に位置します。

    私はお部屋担当の人が点ててくれるお茶を正座して飲んでいました
    いやはや、こういう所で人間の大きさというものがバレてしまうものです。
    私は自分がいかに人間が小さいかを露呈してしまいました。
    こういうときは自分は客なんだから、こういうサービスぐらいしてもらって当然!!と
    言わんばかりの態度で接すれば良いのでしょうが、私にはとてもとても………。

    お部屋担当の人が最初に三本指で「ようこそお越し下さいました」と深々と頭を下げる
    のにつられて「いえいえ、とんでもございません」と自分も頭を下げてしまうあたり、
    人間の大きさというが判ります。
    (ミズノ氏はそんな私の様子を見て笑っていましたがヽ(`Д´)ノ)

    19時30分。
    先程、抹茶を運んで挨拶に来たお部屋担当の人が我々の食事のスピードを見計らって一
    品一品運んできてくれます。
    食事をしながら世間話。
    その人は、この宿に来る人は結構年輩の夫婦とかが多いのに、若い二人(しかも野郎同士)
    でなんで来たのか?と尋ねられました。

    ミズノ氏が「北海道で"水曜どうでしょう"という番組があって、そこでこの宿をよく使っ
    ていたもので……」と答えると、
    その人は目を丸くして「ああ、大泉さんのファンの方ですか」と驚く。
    そして「私、前に大泉さんのお部屋担当になったこともあるんですよ」と言うではないで
    すか。その後はしばらく"水曜どうでしょう"トークで盛り上がり意気投合。

    恐るべし、どうでしょうの輪。

    途中でこの綾陽亭の女将が直々に挨拶に来てくれたり(どうやら一部屋一部屋廻っている
    らしい)と、最後のデザートが終了したのは21時30分。
    ちなみにこの時、ミズノ氏は地酒を飲み過ぎてトイレがお友達状態に。

    結局、食事タイム3時間

    これが”大人のゆとり”というやつなのでしょうか。
    食事開始が19時30分ではフロントの人が一瞬驚いた表情をしたのも無理はありません。
    私のこれまでの人生の中で3時間かけて食事をしたことは、親から嫌いなピーマンを残さ
    ず食べるまでごちそうさまをさせてもらえなかった時以来
    でしたから。

    就寝の準備も整った午前0時。
    トイレとマブだちのミズノ氏をほっといて私は一足先に就寝。
    恐ろしいことに私は貴奴の陰謀にまったく気付かずに、惰眠をむさぼっていたのでした。

    (つづく)

    【参考リンク】
    酒泉の杜トップページ:http://mori.unkai.co.jp/




    ■照葉大吊橋編

    本日宮崎に到着して、青島海岸の撮影を終えたのは15時。
    ミズノ氏曰く「どうでしょう的には16時まで宿に入らなければならない」などと、再三
    私に主張していましたが、どう考えても時間的に不可能です。
    我々は今日の最終撮影目標、「照葉大吊橋」に向かいました。
    照葉大吊橋は宮崎国定公園内に位置し、水面からの高さが142mある日本最大の吊り橋。
    午前中の南国ムードから一変し、どこにでもよく見かける山の中。

    その中をレンタカーで走ります。
    ……というか、サンメッセ日南以来ずっと自分が車を運転しているのはどういうことでし
    ょう。
    当初の計画ではミズノ氏が1日目を運転して2日目を私が運転するはずだったのに。
    久々のミズノ氏の運転はあまりにも危険すぎて(←運転に余裕がない)、即降板させたの
    はそういえば自分でしたっけ。
    つまるところ細い道を右へ左へ運転するため、周囲の景色をじっくり見る余裕がないのです。

    写真 こんな道をひた走る

    突然ミズノ氏が絶叫。
    「いや、高っけええぇぇぇ!!」

    写真 大吊橋登場

    上の写真の景色が出た瞬間に彼が叫んだのも無理はありません。
    自分はこの瞬間を見過ごしたけどな。(-_-メ)
    (視界の端にちょっとだけ入った程度)
    より細くなった道をうねうね進むこと数十分。
    16時40分。

    写真 大吊橋到着

    ちなみに閉園時間は17時30分。
    実は時間があまりありません。
    照葉大吊橋はメインの大吊橋と周囲を巡る遊歩道からなる国定公園。
    客が来ないのか、受付ですごく暇そうにしているおじさんに入園料を支払って中に入りま
    す。

    写真
    入園料は300円

    たった300円で大吊橋を拝めるなんて安いものです。

    写真 吊橋中央部から下を望む

    (((((((( ;°Д°)))))))ガクガクブルブル

    吊橋と言っても鋼鉄で出来ているので、風が吹いてもほとんど揺れることはありません。
    (しかも強風もほとんど吹いていなかった)
    ミズノ氏はかなり拍子抜けをしていたようでしたが、自分は結構恐怖を感じていました。

    入口すぐにある大吊橋を見たら目的はほとんど達成なのですが、せっかくだから遊歩道も
    歩いてみようということになりました。
    遊歩道入口には「1周40分」という立て札があります。
    40分ではとても閉園時間に間に合いませんが、「どうせ年寄りが歩いて40分なんだろ?」
    という結論に達し結局行くことに。
    しかし遊歩道と言ってもただの山道。
    舗装もされてなく、一歩足を滑らせると奈落の底という場所もありました。
    そんな山道をひたすら下ります。
    20分ほど歩いた頃、もう一つのミニ吊橋(かじか吊橋)が見えてきました。
    どうやら「水曜どうでしょう」でもここが撮影場所のようです。
    「水曜どうでしょう」ではこの付近から出演者の大泉さんが「ミスタ~~っ!!」と叫ぶ
    と大吊橋の上にいる出演者の鈴井さんが「は~い」と応える映像。

    我々もそれを撮ろうというのです。
    ミズノ氏が大吊橋に行くことになり自分はここで待機。
    彼が去った後、私は一人橋の上で取り残されました。
    周囲は木々のざわめきと川のせせらぎが聞こえるだけ。
    東京では味わえない自然の静寂が私の心に響きます。

    5分…10分……。
    ミズノ氏はなかなか姿を現しません。
    川のせせらぎを聞きながら、大自然の静寂にもさすがに飽きてきました。
    暇なのでとりあえずカメラチェック。
    ……それも一瞬で終了。

    10分……15分………。
    大吊橋の上には人の姿さえ見えません。

    20分後。
    ようやく大吊橋の端から人が走って来るのが見えました。
    ミズノ氏に間違いありません。
    彼が橋の中央に来たのを見計らって、私はあらゆる力を振り絞って絶叫。

    (左)「水曜どうでしょう」より
    (右)われわれ
    写真 写真
    「ミスタ~~~っ!!」

    「………………………。」

    全く聞こえてねぇ。

    というかこの距離では無理(←撮影場所を明らかに間違えてる)。
    こちらから「もう1回」という意味のジェスチャーをしても全く気付いてもらえず。
    作戦中断。
    悔しいですが引き揚げです。

    かじか吊橋からはひたすら登りの山道のみ。
    さすがにこれはキツすぎます。
    しかも途中に「あともう少しで出口」という立て札があったものの…出口は一向に見えず。

    全然"もう少し"じゃないし……(´・ω・`)

    最近運動していない自分としては相当レベルの高い遊歩道でした。
    結局、1周正味40分。

    出口は公園からかなり離れた場所にありました。
    受付に行くと、受付のおじさんとミズノ氏が待っていました。
    後でミズノ氏に話を聞くと、彼が出口にたどり着いたのはちょうど閉園時間ギリギリ。
    あわてて受付に走り「すいませ~ん!!写真撮らせてくださ~い!!
    と駆け込んだそうな(←無茶苦茶な理由)。
    受付のおじさんは私が下の吊り橋で待っていることをミズノ氏から聞き、閉園時間を過ぎ
    ているにもかかわらず閉園することもできず
    、私が上がってくるのを待ってくれていたら
    しいのです。
    まったく。
    受付のおじさんには我々バカ2人のために待って頂いて本当に感謝しています。

    こうして我々は1日目の撮影スケジュールを全て終え、本日の宿である酒泉の杜綾陽亭へ。
    この夜、まさか私がこんな屈辱を味わうとはこのときは夢にも思いませんでした。
    (つづく)

    【参考リンク】
    照葉大吊橋:http://miyazaki.daa.jp/aya/




    ■鬼の洗濯岩編

    次なる目的地は日南海岸名物、鬼の洗濯岩(←特別天然記念物)。
    波の浸食によって作り出される洗濯板のような海岸風景は絶景。
    「水曜どうでしょう」の出演者たちも、ここを訪れて鬼の洗濯岩で鬼が洗濯している風景
    を撮影していました。

    写真 洗濯する鬼(「水曜どうでしょう」より)

    ところが日南海岸は広い。
    鬼の洗濯岩はそこら中に存在していて、この画像だけでは場所を特定できません。
    とりあえず適当な場所でゲリラ的に撮影することに。
    私は
    「鬼の洗濯岩のマネをするなというのが我が家の家訓」とか
    「先祖の遺言で絶対にやるなと言われた」
    などとかなり抵抗したのですが、サンメッセ日南で見事に特攻したミズノ氏に
    「俺もやったんだから、あんたもやりなさいよ~」
    などと言われた日には私の抵抗の炎も、もはや風前の灯火。

    写真 恥。

    撮影した岩場の上には、地元のオヤジが2人ほど釣りをしていました。
    そのオヤジの真下で「洗濯モノはねぇかぁ~~~っ!!」と絶叫している私は恥以外の
    何者でもありません。
    今思い出すだけでも顔から火が出るほど恥ずかしい。
    こんなことを私に平気でやらせるミズノ氏。
    …恐ろしい男です。

    ■青島海岸編

    恥ずかしいから鬼の洗濯岩を早々に切り上げ、青島海岸に向かいます。
    青島海岸は宮崎県の中でも風光明媚な場所。干潮の時には島の周囲を鬼の洗濯岩が一面に
    見え、その眺めに圧倒されます。
    また青島神社というジャイアンツが必勝祈願に訪れる古事記で有名な海の幸彦、山の幸
    彦が祭ってある古事記マニアが涎を垂らして喜びそうな神社もあります。

    写真 青島海岸(左側の岩も鬼の洗濯岩)

    そんな由緒ある場所に来ようとも、我々の目的は「水曜どうでしょう」と同じ風景を撮影
    すること。
    とりあえず「どうでしょう班」が撮影した風景を捜すために島を一周することに。
    青島海岸は20分もあれば一周できます。
    大抵の観光客は青島神社までで引き返す(そこまでは道がある)のですが、我々はそこか
    ら先の道なき道も歩きます。
    もうすぐ島を1周するかという所まで歩き、「撮影場所はここではないんじゃないか。」
    と思い始めた頃、ようやく撮影場所と思わしき所に到着。
    (逆回りに歩けばすぐに見つかった(´・ω・`))

    我々も早速、撮影開始です。

    (左)「水曜どうでしょう」より
    (右)われわれ
    写真 写真

    人生の汚点パート2。

    痩せている私は人前で裸になるのにかなり抵抗があるのですが、鬼の洗濯岩といい青島海
    岸といいミズノ氏に2回も裸にさせられました_| ̄|〇

    ミズノ氏と私は帰りがけにお土産に青島海岸で名物「青島ういろう」を購入。
    いや、だがしかし。
    この男が買った「ういろう」によって、私に悲惨な運命が降りかかることになるとはこの時
    夢にも思っていませんでした。

    (つづく)

    【参考リンク】
    青島海岸:http://miyazaki.daa.jp/aoshima/




    これはあまり知られていないことですが当日の朝、私は絶不調でした。
    宮崎行きの飛行機の時間は朝7時10分。
    自分は始発の電車で頑張っても羽田到着は6時50分。
    チケットはミズノ氏が手続きを終えているはずなので私は羽田空港に到着次第、飛行機
    に乗るだけ
    だと考えていました。
    ……20分もあれば余裕だろう。いや、そうに違いない。

    しかし電車に乗っている最中に、ミズノ氏がジャンジャン電話が掛かってきます。
    緊急の用事だろうと思って、小声で電話に出ると途端に周囲から冷たい視線が突き刺
    さる。
    自分も普段から冷たい視線を突き刺している方の人間だから、自業自得と言えばそれま
    でなのですが……。
    しかもミズノ氏からの電話の内容は意味不明。
    「ヤヴァイかもしれないから、絶対走れよ」

    これで不機嫌にならない方がどうかしています。

    羽田から飛行機に乗ったこと人なら知っているとは思いますが、電車の到着口は1階。
    飛行機の搭乗口は3階(しかも超ロングエスカレーターで繋がっている)。
    搭乗口に移動するだけでも普通に結構な時間がかかるのに、さらに荷物検査があるとい
    うことを私は知りませんでした。
    さらに私は天下のANAならばビッグバードの搭乗口に飛行機が横付けされていると考
    えていたのです。
    それがまさか搭乗口までバスで移動とは…。

    …もっともその事実を思い知ったのは、空港内を心臓が飛び出るかと思うぐらいダッシュ
    している最中なのですが。我ながらあまりの無知さに呆れます。

    ミズノ氏は「もう自分は3万円(←正規の飛行機運賃)を覚悟していたよ」と語っていま
    したが、間一髪飛行機には間に合いました。

    少し前、札幌まで「水曜どうでしょう」を録画しに行く!!
    という計画がなくなった代わりに行くことにした旅。
    そして「水曜どうでしょう」と同じ風景を撮影しにいく旅。

    なにやら出発前から波乱の様相。
    しかしついに私とミズノ氏、男2人の「どうでしょうの旅」は幕を開けました。

    写真 宮崎の旅スタート!!

    宮崎空港に到着した我々はまずはレンタカーを借りました。
    これから宮崎の大地を縦横無尽に疾走し、「水曜どうでしょう」と同じ風景を撮影するの
    です。
    最初の目的地は「サンメッセ日南」。

    ■サンメッセ日南編

    この太平洋の向こうには・・・。
    この太陽の向こうには・・・。
    イースター島のモアイたち
    -遺跡アフ・アキビがたたずむ。
    遥か彼方。神秘と対話する時間へと誘われる。
    この心地良さ。
    心が。身体が。一瞬に地球の一部へと・・・。
    ここには永遠がある。

    地球さん、ありがとう。
    (サンメッセ日南のパンフレットより)

    永遠はあるよ。

    という謳い文句の通り、一歩敷地内に入ると急に怪しいほどの南国ムード。
    しかも平日に訪れたからでしょうか。

    誰もいません。Σ( ̄□ ̄;)

    ゆったりとした時間の流れを感じさせる空間の中で、ヤル気のない南国音楽が流れてい
    ます。
    要するに、
    ホェ~~~~~ン…ピロ~~~~~~~ン………
    こんな音楽。

    ここにいると、

    骨抜きにされそうです。

    観光客が我々を含めて数人しかいないので、仕事がなくて暇を持てあましているのか、
    南国まったりムードに感化されているのか、売店の従業員にも怠惰な雰囲気が流れてい
    そうです。

    そんな中、われわれが目指すのは

    写真 モアイ!!(パンフレットより)

    モアイと言えばイースター島。
    サンメッセ日南に設置してあるモアイは、イースター島から許可を得て寸分違わず作られ
    ている、まさにホンモノ。
    その本物のモアイがこの日本で見られるなんて、それだけでも感激です(←大げさ)。

    ところで。
    「水曜どうでしょう」と同じ風景を撮影するという今回の旅。
    さっそく実行です。

    1.モアイ発見
    (左)「水曜どうでしょう」より
    (右)ミズノ氏
    写真 写真
    「あっ!!あった!!あれですよ!!」
    写真 写真
    写真 写真
    「ちょっと、先に行かせてもらいますよ!」
    写真 写真
    「危ない、危ないよ」「大丈夫、大丈夫!!」
    写真 写真
    !!
    写真 写真
    ゴロゴロゴロゴロゴロ~
    写真 写真
    ゴロゴロゴロゴロ・・・・・・・(←止まらない)

    2.モアイ記念撮影
    写真 写真
    (左)「水曜どうでしょう」より
    (右)われわれ

    構図酷似!!

    幸先の良いスタートです。
    しかしスタートからハッスルしすぎたせいで、
    坂を転げ落ちた時に長くてよく切れる草に腕を滅多切りにされミズノ氏負傷。
    設置したデジカメを回収するため全力で坂道ダッシュをしたため私とミズノ氏の体力枯渇。

    写真 写真
    ミズノ氏負傷(1)
    ミズノ氏負傷(2)

    彼は坂道を転げ落ちたときに着ていた服を泥だらけにしてしまい、ランニングシャツの
    まま服(←お土産用のアロハシャツ)を買いに売店に入っていきました。

    写真 観光客というより地元のオヤジ

    いい歳した大人が、いったい何やっているんでしょう(^_^;)。
    体力が枯渇したせいでモアイ像以外のオブジェを見るのはどうかと思われたのですが、
    せっかく入場料も払ったのだし見ていこうということになりました。

    写真 天空の塔(パンフレットより)
    写真 地球感謝の鐘

    よくわからないまま、サンメッセ日南終了。

    (つづく)

    【補足】モアイと天空の塔と地球感謝の鐘
    春分の日と秋分の日の年に2回、7体ある真中のモアイの背中から昇った朝日が、天空
    の塔の10cmの隙間を通り、太陽の階段をかけ登り、頂上の地球感謝の鐘の中央に差し込
    むよう設計されています(パンフレットより)。

    【参考リンク】
    サンメッセ日南:http://www.sun-messe.co.jp/top.htm




    仕事が忙しい時は、会社の人と昼食を食べに行かずに弁当を買うことが良くある。
    そんな時によく利用するのが、会社の近くにある「きらく亭」が売っている弁当だ。
    500円で程よいボリューム。
    しかも味もうまいとくれば、これを利用しない手はあるまい。

    例によって弁当を買いに行くと、ショーケースの中に美味しそうな弁当が並んでいた。
    その中に一際、目立つ弁当(ご飯が白米ではなくて混ぜご飯になっていた)があった。
    迷わず、
    「それを下さい」
    と、その一番左に置いてある弁当を指さすと
    これは600円になりますが、よろしいでしょうか」

    「……………………………………あ、構いませんよ」

    「違う弁当にします」と言えなかった自分って

    なんて小市民なんだろう。




    帰宅途中の電車の中で俺は激しく戦っていた。
    自分自身と。

    事の起こりは些細なことだった。
    19時頃、新宿駅の小田急線ホームについたのだが、思いの外電車を待って並んでいる
    人間が多かった。

    これは座れないな。
    と思い、
    どうせ立って帰るのならオヤジとかババァの隣は勘弁。
    とも考えた(精神衛生上よろしくないから)。
    ふと横を見ると女子高生が並んでいたので、本能の命ずるままホイホイ後ろを付いてい
    って女子高生が座った席の前に立った。

    私の長年の研究生活の末に編み出した定理によれば、

    定理112:
    新宿駅で座る女子高生は町田駅で下りる。

    はずなのだ。
    町田駅より遙か先の駅を利用している自分としては、町田で座ることができれば1日を
    有終の美で飾れる
    というもの。
    今日の占いで運勢が良いはずなのに何故だ!?
    と自問自答する必要がなくなる。

    ちなみにこういうのもある。

    定理283:
    新宿駅で座る大学生っぽい男は東海大学前駅で下りる。

    新宿から東海大学前までは、およそ65分。
    この時間を一歩も動かずに立ち続けるのは長年の修行の成果をもってしても至難の業だ。

    ・・・さて。
    とにかく私は女子高生の前に立った。
    すると、なんという天の助け。
    その女子高生が偶然取り出した定期券には「新宿←→梅ヶ丘」と書いてあるではないか。
    「梅ヶ丘」ってことは、その女子高生は下北沢駅(新宿から10分以内圏内)で下りるは
    ず。
    これで私は残りの時間、悠々席に座って幸せな生活を送ることが出来るというものだ。

    刹那。
    ふと嫌な気配を感じて隣を見ると、やはりいた。
    どこから現れたのか年寄りをレーダーに捕捉。
    こう言ってはなんだが、私は大学に入学して以来一度も年寄りに席を譲ったことがない。
    譲ろうとすら思わない。
    否。実は一度だけ譲ったことがあった。
    仕事で疲れて帰宅中に座席で眠りふけっていると、若い女に叩き起こされた。
    もしやこの女、突然の愛の告白か?と思い、眠い目を開けると、女が言った。

    女「この方(隣に立っていたババア)に席を譲ってあげてはどうですか」

    私「断る」

    …と心の中でつぶやいた。
    周囲を見ると立っている乗客の私を見る視線が冷たい。
    どうやら今の女の一言で、私は一気に「悪者」の烙印を押されてしまったらしい。
    しぶしぶ席を譲った(もちろん表面上は笑顔で席を譲ったことは言うまでもない)が、
    あー、今思い出すだけでも胸くそ悪い。

    とにかく。
    私はあまりジジババに席を譲ったことがない。
    だいたい後先短いのだから、さっさとくたb*#”P%+π$!!(←検閲により削除)
    むしろその方が年金の節yaあqwせdrfなにをするyh(←検閲により削除)

    このままでは下北沢駅で女子高生が降りた後、この隣の年寄りとバトルになるかもしれ
    ない。
    いや、ここは大人の対応で席を譲るか!?
    しかし私は激しく疲れている。
    いくら戦時をくぐり抜けてきた百戦錬磨の年寄りとは言え、席取り合戦で負ける気はしな
    い。往復4時間の通勤、通学を8年続けている私だって百戦錬磨だ。

    だがしかし。
    バトルに競り勝って席に座ったとしても、周囲の乗客の視線が痛い………。

    あ~!!こんなことでウジウジ悩んでいる自分って

    なんて小市民なんだろう。

    結果はどうなったかって?
    ………それは言わない方が華というもの。




    4/29ハメられて幹事の1人に任命されてから、あっという間に2ヶ月。
    早くも当日。
    みんな忙しいこともあったのだろうけど、前回のイシイ夫妻の結婚式2次会に比べてこの
    段取りの悪さはいったいなんなんだろう。
    激しく不安な気持ちになりながら、私は2次会会場へ向かいました。
    ちなみに2次会の会場は、横浜「馬車道異人館

    ”馬車道”と聞いて激しく(*´Д`*)ハァハァした人。
    残念ながら、店員さんはハイカラさんではありません。

    さて。
    幹事は開宴の30分前の20時に集合し、店の人と最終的な打ち合わせ。
    ここまで来たら後はなるようになるしかないのか。
    私は腹を括った。(実際は仕事しないけど)

    2次会の方は
    開宴→ご歓談→新郎新婦入場→乾杯→ご歓談→ビンゴゲーム→新郎新婦挨拶(キス付き)
    →解散。
    とありきたりな流れと言えばそれまでだけど、滞りなく進行。

    しかし、この馬車道異人館。
    さすがパーティー会場と銘打ってあるだけ、小粋な演出が効いてます。

    新郎新婦入場の際には音楽&ライトアップは当然のこと

    シャボン玉が吹き出します。ぶわ~っと。

    さらに店が貸し出してくれるビンゴゲーム機は電子式(←特許庁長官奨励賞受賞とかシ
    ールがあった)です。

    そして段取りが悪い司会を店のスタッフがさりげなくサポート。
    さすがプロ。
    さすが1人あたり約6,000円掛かっているだけあります。

    とにかく。
    2次会はイシイの名司会もあり、大盛況のうちに終了。

    計画段階では幹事と新郎新婦は無料という計画だったのですが、当初見込んでいた参加人
    数が足りずに幹事も参加費(男9,000円)を泣く泣く払いました。
    (↑大抵、計画通りには事は運びません)
    私なんてウーロン茶(2杯)とオレンジジュース(1杯)しか飲まなかったため、

    ジュース1杯3,000円!? ΣΣ(゜д゜lll)!!

    など恐ろしい事になっていたのですが、収支を計算してみれば幹事の参加費はなんとか確保。
    赤字でもないし、黒字でもない。強いて言えば若干黒字?
    という程度に収まりました。

    ……ってなんだか
    ウチの会社の社長の決算報告みたい。

    2次会が終了して、新郎のシマムラさんが
    「結婚式やると当日、新郎が目の下にクマ作っているのがよくわかった。もう結婚式は2
    度とやらねーぞ」
    と言っていたのが印象的でした。

    テラヤマ(旧姓)とシマムラさん。
    本当にご結婚おめでとうございます。心から祝福します。
    つーか、人の幸せばかり祝福してばかりで私の幸せはいったい・・・_| ̄|〇

    【参考リンク】
    馬車道異人館:http://www.gnavi.co.jp/wedding/shop/htm/u127400s.htm

    【参考(ビンゴゲームの景品)】
    1位 iPod
    2位 バウリンガル
    3位 ネズミーランドのペアチケット
    4位 「ガラクタ通りのステイン」DVD
    5位 ドリームジャンボ宝くじ10枚
    6位 黒酢
    7位 スターバックスプリペードカード
    8位 足裏くん
    9位 女王様セット
    10位 うまい棒1ヶ月分
    11位~17位 携帯ストラップなどのオマケ。




    事の起こりは3週間前の会社にさかのぼる。
    かつて「水曜どうでしょう」という番組があった。
    会社の後輩にDVDを借りて以来、私は一気に「どうでしょう」にハマってしまった。
    ローカル番組で果たしてこんなに面白い番組があっただろうか。
    その番組はただの旅番組なのに、視聴者を放さない魅力があった。
    「どうでしょう」を見ると、全国ネットで放送している某有名バラエティー番組が途端に
    つまらなく退屈なものに思えてしまうから不思議なものだ。
    まだ未見の方は一度見てみることをお勧めします(DVDが発売されています)。

    とにかく。
    「水曜どうでしょう」が好きな人間のことを「どうらー」と呼ぶらしい。
    後輩を教祖に社内でも次々に「どうらー」が増殖していった(「水曜どうでし
    ょう」はそれほど面白いのです)。

    そんなとき、7年ぶりに「水曜どうでしょう」が復活するというニュースが飛び込んでき
    た(ただし北海道ローカル)。
    関東に住んでいる我々「どうらー」としては何が何でも北海道で放送される新番組を見た
    い!と考えるのは人間として至極当然の成り行き。
    しかし放送は北海道。我々は関東在住。しかも社会人。

    その時、先輩のタナカさんが言った。

    「我々が毎週一人ずつ有給を取って北海道に行き、水曜どうでしょうを録画してくればい
    い」

    ・・・なるほど、確かに一理ある。
    って、

    なんだって---------------------っ!(゜д゜)

    そんなばかな・・・_| ̄|〇
    あれよあれよと言う間に無謀な計画は決定し、毎週誰が行くか決めることになった。
    もちろん運命を決めるのは、水曜どうでしょうファンにはおなじみのメイジキャラメルのサ
    イコロ。

    写真 本当にこれに運命を託すことになろうとは…

    「6月18日は納品だから、その後がいいなぁ~」
    とマエザワさん。
    それは私も同感です。なんせマエザワさんと私は同じ仕事をしているのですから。
    それぞれの思惑が複雑に絡み合い、サイは投げられた。

    結果。
    タナカさん→会社の後輩→マエザワさん→私
    の順番に。

    ……………………。
    という経緯があり、今日タナカさんが有給を取って北海道に飛び立ちました。
    恐るべし、どうでしょう中毒患者たち。
    私の順番まで………あと3週間。

    (後日談)
    実はその後、テレビ朝日で深夜に新作「水曜どうでしょう」が放映されることになり、
    わざわざ北海道まで録画しに行く必要はなくなりました。
    しかしせっかく大手を振って有給休暇が取れるチャンス。
    私はそれにかこつけて休みを取って、ミズノ氏と旅行に行くことにしました。
    その話はまた別の日にでも。

    【参考リンク】
    水曜どうでしょうofficial website:http://www.htb.co.jp/suidou/




    朝早く(←始発の時間)駅に行くと面白いものが見られることがあります。
    駅に設置してあるロマンスカー座席情報表示システム。
    どんなシステムで動いているのかと思っていたのですが、ようやく判明しました。

    写真 座席情報表示の大画面

    WindowsΣ( ̄□ ̄;)

    いやはや。
    Windowsなんかで動かして本当に大丈夫でしょうか?
    さいわい青画面になったところは見たことありませんが(^_^;)

    それはさておき。
    不可解なのが、先程の写真。

    よく見るとWindows2000 Professionalを使用してございます。
    そして、
    その隣の画面。

    写真 左の画面

    見にくいですが、こちらはWindows2000 Serverを使用。
    左と右の違いは当駅停車のロマンスカー座席情報と、先にあるロマンスカー停車駅におけ
    る座席情報の違いでしかないのですが……。

    なぜOSが違うのでしょう。
    …謎です。