ウチの会社がお世話になっているコンサルティング会社が「起業塾」(※1)という企画を進めてきた。
(※1)「起業塾」……これから起業を考えている人や、起業したばかりの人を対象に心構えや集客、マーケティングなどのノウハウを講義する内容。全25回。
そしてその第1回講座が開催されるというので、ウチの会社は社長を筆頭に全社員総力をあげて(※2)バックアップを行うことになった。
(※2)全社員総力をあげて……嘘は言ってない。語弊はあるけど。
「起業塾」は半年以上前から準備を入念に進めてきた企画ではあるのだが、間近でその過程を見てきた自分としては、あまりのトラブル続きに驚かされた。
直前になって開講の3日前じゃないと宣伝用パンフレットの制作が間に合わないとか言い出す制作会社。最後の最後で突然キャンセルをするゲスト講師。のんびり構えていたために希望会場を取り損なった外部の連中。
よくもこんな問題山積状態で、開講まで漕ぎ着けたものだと思う。なんとしてでも実現するという鋼の意志に感心した。
それはさておき。
そのいつもお世話になっているコンサルティング会社の社長から我が社に与えられたお役目は、"当日会場近くで案内板もって立つ係り"。よく葬式とかで道ばたに「○○家」など書かれた案内を持って立っている人を見かけるが、まさにソレ。
「…………………………。」
いや、別に自分は一向に構わないのだけど、いくら小さいとは言え株式会社の代表取締役にその辺の道に立ってろ(※3)というのは、ちょっと……。
(※3)道に立ってろ……このお役目は諸般の事情により取りやめになった。
会場準備のために開始2時間前に現地到着。本日から開講される起業塾の会場はキャンパスイノベーションセンター。
各国公立大学や一部の私立大学が共同利用する施設らしい。
一歩足を踏み入れて、その近未来的なデザインと設備の充実ぶりにただただ感心。
巨大モニタをはじめ会議場には超プロ仕様のビデオカメラ(しかもモニタで遠隔操作が可能)や、バズーカのようなプロジェクタ。 まったくお金はあるところにあるものだ。血税乙(※4)。
(※4)乙……"お疲れさま"という意味のスラング。小馬鹿にするニュアンスを含むことがある。
第1回起業塾の記念講演をお願いしたのがH.I.S.グループの創業者にして会長の澤田氏。 H.I.S.と言えば格安航空券とか格安海外旅行などで有名なところ。一度はお世話になった方も多いはず。
知人を数人つたっていけば世界中の誰にでも行き着くという話があるが、よく知人をつたって澤田会長に行き着いたものだと思う。
その澤田会長。巨大企業であるH.I.Sグループのトップとなれば、もう雲の上の人。 さぞかし人の話をふんぞり返りながら聞くような傲慢野郎だと勝手に想像していたのだが、実際に見てみれば腰の低いただのオッサン(※5)。 この腰の低いオッサンが社員数5,000人を束ねる企業のトップなのかと思うと、意外だと思うと同時にただ一人の人間なのだと親しみを感じた。
(※5)ただのオッサン……失礼な言い方だが本当にそう思ったのだから仕方がない
テーマは「起業を成功させるのに必要な7つのこと」と「ライバルに企業に負けないための3つのこと」 だったのだが、実体験に基づく講演内容は面白かった。2人で始めたH.I.Sを業界2位にまでに育て上げた過程は失敗と苦悩の連続。 本人はその苦労を面白おかしく喋っているのだが、おそらく胃が締め付けられるような困難があったはず。
ちなみに講演内容のビデオ撮りは遠慮して欲しいということだったので、せっかくのプロ仕様ビデオカメラも肝心なところで沈黙することに。 自分は写真撮影係だったので講演内容のメモは取れなかったのだが、脳ミソの隅に眠っている記憶を引っぱり出して要旨を書き出してみると、
<起業を成功させるのに必要な7つのこと>
- 長期目標(夢)、中期目標(努力目標)、短期目標(実現可能)の目標を立てること。
- 継続は力なり
- 苦しいときこそ笑顔で。
- 好調なときに驕らない。
- 常に変化することを心がけること、向上心を持つこと。
- 運を大切に。
- 企業は人、人を大切に。
<ライバルに企業に負けないための3つのこと>
- 情報
- スピード
- 集中
どれも聞けば当たり前のように思えるが、実際はなかなかできないことばかり。 自分は経営者ではないが1人の社員として聞いていても有益な内容だった。
こうして第1回の起業塾は大盛況のうちに終了した。 まだまだ波乱の予感は多分に秘めているものの、これを弾みに一気に成功にもっていければと思う。
- 【参考リンク】
- 独立起業家支援 公開講座 『起業塾』-Let's Enjyo TOKYO
- 桜美林大学オープンカレッジ-桜美林大学
- キャンパス・イノベーションセンター-独立行政法人 国立大学財務・経営センター
- 澤田秀雄-Wikipedia
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