人間誰しも多かれ少なかれ「夢」を持っていると思いますが、その夢を実現できる人はそう多くはいません。
叶わないからこそ夢なのだ、と言う人もいます。
「漠然と思っているだけでは夢で終わってしまう。計画を立てれば夢は目標に変わる」とは松坂大輔の言葉だっただろうか。
そんな夢を次々と実現する男が私の身近にいる。
高校時代からの友人K。
夢という名の目標
彼から聞いた夢の話は色々あるが、その後ことごとく夢を実現させてきた。
私にとっては途方もない「夢」のような話も彼に取っては一つの「目標」にすぎないのかもしれない。
そんなKがまた一つ夢を実現させた。
それは「結婚」
以前会ったとき、一度振られた彼女とつき合っているという話を聞いた。
そもそも振られた女とつき合えること自体恐るべき匠の技としか思えないのだが、まさか結婚までこぎ着けてしまうとは。
人間の心はよくわからない。
まして男女の関係となると、もはや魑魅魍魎か百鬼夜行の世界である。そしてまさかの国際結婚。
島国根性の塊のような私としては、まったく想像できぬ。
「結婚することになった」
Kからこの言葉を聞いたとき、表向きは表情を悟られぬよう「そっかー、おめでとう」など、そしらぬ顔で答えたが、 内心は酷く動揺していたのだ。
なぜだか判らないが、彼だけは独身同盟のメンバーであると固く信じていたからだ。
そんな動揺を隠しつつ日々を過ごしていたある日・・・・・・。 ついに招待状が届いたのだった。
シアワセ発信基地
結婚式当日は大雨。 よりによって大雨の日に式を挙げるとは。もう少し考えて欲しいところだ。
会場は横浜のThe Club of EXCELLENT COAST。
電車を乗り継ぎ、相当余裕ある時間に到着したつもり・・・・・・だった。
ところが会場の入口では新郎・新婦が記念撮影をしていた。
実は式はとっくに始まって(しかも終了)のではないかと慌てて時計(※1)を取り出したが、なんと言うことはない。
式を終えた前の組だった。
(※1)時計……本当は携帯電話の時刻表示。腕時計はまだ買っていない。
たとえ赤の他人でも幸せそうな顔を見ていると複雑な気分にさせられる。ここは時間単位でシアワセを発信し続けている拠点なのだ。
そんな幸せそうな赤の他人を横目で見ながら受付へと向かった。
そして誰もいなかった
たいてい結婚式に呼ばれると、中学、高校、大学とそれぞれの同級生と再会するのが定番。
そしてこの再会からから、あるいは違う接点から新しい恋が始まr・・・って知り合いが誰もいないではないか。
これは非常にバツが悪い。一度だけ友人の元彼女の2次会に呼ばれたことがあったが、これは肩身が狭いどころか孤独だった。
新郎側・新婦側それぞれの友人たちから「誰こいつ?」みたいな視線が突き刺さり、 果ては「呼ばれてもないのに無銭飲食しに来たんじゃねぇの」と思われ、回れ右して帰りたくなったことがある(※実話)
今回もそんなパターンではなかろうか。不安な気持ちを抱きつつとりあえず受付で回収不能の不良債権となるであろうご祝儀を手渡す。
そしてさすがは国際結婚である。隣から日本語でない言語でまくし立てている御一行様がいらっしゃる。
何をしゃべっているのか全く理解できぬ。
受付の男性はどうやら日本人っぽいようだが・・・・・・慣れない(というかレベルの高いバイリンガルな)仕事に困り果てているようだった。
知り合い(というか同級生)が誰もいない以上、頼みの綱は新郎Kしかいない。
彼の姿を探しているとラウンジの奥に真っ白のタキシード姿の男が1人。私はこの期に及んでもKが結婚することが未だに信じられなかった。
数ヶ月ぶりの再会なのだが、彼はとても成長して立派に見えた。
また背が高い彼が着るタキシードはとてもよく似合っていた。
話を聞けば親族以外で今回呼んだのは、
幼なじみ(男)と婚約者(女)、中学校の同級生(男)、高校の同級生(自分)、大学の同期(男)、最初の会社の関係者(男)……以上。
結婚式は独身同士の出会いの場だとお伺いしたのだが・・・・・・。
幼なじみの婚約者はもとより論外だし。この人選は正直どうかと思うぞ。まさかハッテン場(※2)か?
(※2)ハッテン場・・・・・・ご存じない方、Wikipediaでお調べください。
あまり結婚式には呼ばれない人間なのだが、彼の結婚式は親族メインのアットホームな式のようだった。
つづく。
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