部課長に退職することが承認され、2番目の山は越えました。
後腐れ無く退職するためには、これまでお世話になった同期(←もういないけど)、親しくしてもらった先輩、後輩に退職することを直接伝え、 これまでの謝意とこれからについて直接話す必要があります。
退職する2週間前になると社内掲示板に"人事"というタイトルで掲示されるでしょうが、そうなってから「なんで話してくれないんだよ」と言われる前に自分の口から話しておいた方がベスト。
ところで現段階でいったい誰が私の退職を知っていて、誰が知らないのか全く不明。 小さな会社なのであっと言う間に知れ渡っている気もするのですが、誰もそんな素振りすら見せない。或る意味、役者です。
以前O課長と話したとき「このことはM澤(先輩)にはちょっと話した。後は誰にも話していない」と言っていました。その"ちょっと話した"内容がどの程度のものか判らないのですが。 今週火曜日に部長・課長・主任で今後のスケジュールについて打ち合わせたとき、ホワイトボードに私のスケジュール線を11月末まで引いたはずなので、主任は全員知ってそうです。
しかしどの主任をそんな素振りすら見せません。あくまで平静です。心の中では「この裏切り者め」と煮えくり返る思いを持っているかもしれませんが……。
正式に退職が決まってから夜にM澤さんと、よく話すことが多い。と、いうより努めて私から話すようにしています。 新入社員研修で面倒見てもらったのがM澤さんだったし、それから最初の仕事の上司もM澤さん。テニスでもお世話になっています。 入社以来、常に目標にして結局超えられなかった人。私が6年も弊社にいることが出来たのはこの人のおかげと言っても過言ではありません。
今日の夜もたわいのない話をしていると、M澤さんは
「………まぁ、君はこれでも読みなさい」
と、一冊の本を貸してくれました。その本のタイトルは「ハッピィ・エンジニアリング 新しいシステム開発の処方箋(著:吉田 智彦)」
ソフトウェア開発において発注する側(=顧客)、下請け側(=弊社)などのソフトウェア業界に蔓延る主従関係。 ゆえに発生するデスマーチ。 それらの問題点を暴き、改善方針を提示してくれます。
弊社のような末端の下請け業界はどうしたらデスマーチを回避できるのか。毎日残業、休日出勤の嵐を回避できれば疲弊する社員が救えるはず……。
M澤さんは特に何も言いませんが、M澤さんが社内の状況改善のためにこのことに現在取り組んでいること。そして転職する私への戒めと餞別だと感じました。
この本を渡されたときは、たわいもない話の延長かと思いましたが、帰宅途中の電車の中で"M澤さんは近く退職することを知っている"と。 だからこの本を貸してくれたのかと始めて気付いた(←気付くの遅すぎ)。
餞の言葉と思って読ませて頂きます。悲惨な生活を送っている私と同業者の方も是非。オススメです。
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