少し前にその話を聞いたときは、まさか冗談かと思っていましたが。
いつの間にか強制的にメンバーに放り込まれ……まさに無謀としか言いようがない特攻チャレンジ。
人生初ゴルフで、しかもいきなりコースデビュー。
その奮闘記の中編。
ついにコースへ
朝7時に学校で待ち合わせ、メンバー8人で車に分乗して一路ゴルフ場へ。
ゴルフ場は当然のことながら都心にはない。
郊外の山を切り開き、造成している。そのためゴルフ場へ行くには当然時間がかかる。
スタートは朝の8時~10時。ゴルフオヤジたちが朝超早い時間にゴルフバッグを詰め込んでいそいそと出発するのはそのためだ。
自分の中ではゴルフ場というと昔の何千万円もするゴルフ会員権。そしてそれをめぐる賄賂や汚職…というような ダークなイメージしか持ち合わせていませんでしたが、バブル崩壊以降、誰もがそこそこの値段で気軽に楽しめる 施設へとなったのです。
そして今やゴルフもインターネットで予約できる時代。
当たり前と言えば当たり前なのだろうが、「バブル・汚職・会員権」で思考停止していた自分にとっては不思議な感覚がした。
ついに到着。
ホテルのフロントのようなところで受付。訳もわからず紙に名前を記入する。
プレー時間まで小1時間ぐらいあったのだが、そこからはなんとも慌しい。……というか何をして良いのかわからない。
訳がわからないまま時間が過ぎてゆく。
スタート前に打ちっぱなしみたいなところで練習できると聞き行って見た。
網で仕切られた小さな区画が3つほどあった。ティーと的が設置してある程度のもの。そこでベテランのN宮さんにゴルフのコツを教わる。
「とにかくボールを打つ場所から目を離さないことです。打った後もです。ついボールの行方を目で追ってしまいがちですが、そうするとフォームが崩れてしまうんです」
そして他のメンバーからも「初めてにしては筋が良い」と褒められた。
なるほど!
これでスコア72(*)は堅いな。わはははははは!!
(*)全ホールをパー(規定打数)で回ったときに合計。
私はゴルフ場へ本当に連れて行かれることを知り、前日に慌てて打ちっぱなしに行くという体たらくだったのだが。 今回、同じく初めてゴルフデビューをする体育科のA田先生。
「クラブ握ったの、さっきのが初めてなんですよね~」
上には上がいた。
そして彼よりも経験が上(数時間だけだが)な私としては負けられない戦いがここにはある。
そしていよいよスタートの時間。
コースはすべてカートに乗って移動する。そしてそのカートがなんと自動操縦なのである。
広々とした青と緑、そして開放感
どうやったら自動運転できるのかシステム的に不思議なのだが、とにかくカートはうねうねと曲がりくねった道に 沿って自動で移動し、要所要所で一時停止してくれるのだ。
大手自動車メーカーが自動運転技術開発でしのぎを削っているが、すでにゴルフ場では技術が確立していたのだ!
とにかく。
カートは移動し、我々は1番ホールへ到着した。
どこまでの続く青空。そして果てしなく広い芝生。
これがゴルフ場か……。まさに人工の自然の楽園。
ゴルフにハマる人が多いのも分かる気がする。
ティーショット。
ついに自分の番が回ってきた。
(さ~て、軽く飛ばしてやるか~)
事前にN宮さんに受けたレクチャーを思い出す。
「せーの!」
スカッ!
やっぱりやってしまった…(´・ω・ )
これでもう1打。
2打目。
当たりはしたもののボールは脳内イメージとは程遠く、大きく左に曲がり林の中へ行方不明になってしまった。
いわゆるOB。
最近は我々のようなシロウトが増えてきたのか、良くできたものでどこのゴルフ場にも「前進4打」なるローカルルールが存在する。
つまりはティーショットがOBだった場合、同じ場所から打ち直しではなくコースの途中にある特設ティーから4打目を打つというもの。
ボールを追い掛け回していては、後の組がつっかえてゴルフ場としては商売上がったり…ということなのだ。
こうして長い長い1日が始まった。
(後編へ続く)
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