「近ごろ【密林】の中から鳥のような奇声が聞こえるという……。ついに最初の関門に立ち向かう時が来たようじゃ」
その【密林】に潜む怪鳥の名前は【イャンクック】(※1)と呼ばれているらしい。初めての飛竜です。
(※1)【イャンクック】……竜盤目 鳥脚亜目 鳥竜下目 耳鳥竜上科 クック科
【ジャンボ村の村長】も「【イャンクック】が狩猟できればハンターとしての腕はまずまずだ」と言っています。 どうやらこの【イャンクック】を討伐できるかどうかがハンターとしての試金石のようです。倒せなかったらとっとと荷物まとめて(・∀・)カエレ!ってことか。
そうとなればいても立ってもいられません。早速装備を整えて、いざ【イャンクック】討伐へ!!
【イャンクック】討伐といっても、そもそも肝心のモンスターがどんな姿をしているのかわかりません。飛竜と言うからには翼はありそうですが……。 モンスターの姿を確認するのが先決と見通しの良い海岸沿いへ。
飛竜というからにはやはり空からくるのでしょうか……。
視線を空に向け、ぐるりと大空を見回しますがそれらしい姿は見つかりません。森の中は鳥のさえずりや動物が草を踏みつける音が聞こえる程度の静寂な世界。 しかしその静寂の中にもただならぬ緊張感が張りつめているのは気のせいではあるまい。
「いったいヤツはどこにおるのか……」
その時、ふと何かの気配を感じて視線を空から森の中に戻しました。木々の間から赤い見たこともない異形のものが2本足で闊歩しているのが見えました。 で、でかい……。これまで討伐してきたトサカ野郎やイノシシ野郎も大きいと思っていましたが、はっきり言ってその比ではありません。
【イャンクック】。全身を赤色に覆われたチョコボールをグロくしたバケモノは、ゆっくり振り返り………ヤツと目が合ったw そしてヤツはその巨大な翼を羽ばたかせ「クケケケケケケッ………」なんとも形容のしようがない奇声を発した。どうやら宣戦布告ということらしいです。
刹那。その巨大な翼で一気に大空へ舞い上がった。周囲は強烈な風と砂埃が舞い上がります。大空に舞い上がったヤツは………こっちに来たw すぐ真横に着地したヤツはまたも「クケケケケケケッ………」奇声を発した。
「ええい!殺るしかあるまい!!」
萎む心を叱咤します。ヤツの右側面に走り込み、飛び上がり様に抜刀。そして一気に振り下ろす………はずが。 ヤツはその場でくるりと90度回転し、丸太ほどあるかと思えるような巨大な尻尾を鞭のようにしならせる。
「!!!!!!!!!」
瞬きする間もなく尻尾の鞭をまともにくらい、地面に叩き付けられました。……痛すぎます。なんとかヨロヨロと起きあがるも、すでに目の前にはヤツの巨大な顔が。 「クエェッ!クエェッ!!」堅いクチバシで間髪入れずに啄んできます。それはなんとか転がって回避するも起きあがった瞬間にまたも尻尾ムチ。
はっきり言って勝てる相手ではありませんでした。これまでのトサカ野郎やイノシシ野郎とは比べものにならないほど強い。 こうなったら三十六計なんとかです。言われなくてもスタコラサッサだぜい(※2)
(※2)言われなくてもスタコラサッサだぜい……モンキーパンチ原作の新作アニメ「MUSASHI-GUN道-」の名ゼリフ。あまりの酷いクオリティにファンが急増した
剣を鞘に収め、全力失踪で逃走。しかし動揺しているせいか、普段のダッシュと比べさほど速いように感じませんがスタミナは湯水の如く消費されます。 逃げることで懸命すぎて、気がつけばスタミナ切れ。肩で息をしている状態に。
しかし辛うじて距離は稼ぎました。このほんのわずかな隙に【回復薬】を取り出そうと装備品を探している間に、ヤツは火の玉を周囲に吐き出しながら突進。 その強靱な二本足から繰り出される速度にただただ唖然。一気に追いつかれ弾き飛ばされた。そして周囲は暗闇に包まれた。
……意識を取り戻すと、そこは最初に到着した地点でした。どうやら力尽きて何者かに運ばれ、そこに無様な姿で転がされていました。 どうやらこの【密林】には、影の支配者が常に監視しているようです。
「………やはり村長か?」
今はそんな影の支配者の詮索をしている場合じゃありません。【イャンクック】は今も【密林】を跋扈しているのです。 萎える気持ちを奮い立たせ、ヤツが直前までいたと思われる地点に移動。 ……果たしてヤツはそこにいました。勝ち誇るように翼を広げ、ゆっくりと闊歩していました。
「2度目の失敗はないっ!!」
ヤツとの間合いを一気に詰め、剣を力一杯振り下ろします。コントローラに剣先に確かな手応えを感じました。
刹那。ヤツはくるりと90度回転し、またも強烈な尻尾ムチ。またもやまともに喰らって地面に叩き付けられた。
再び力尽きて、無様な醜態を晒すことになった。
結局、失敗を重ねたことで成功報酬はみるみる削られ(やはり影の支配者に状況を見られている?)、 挙げ句の果てには報酬ゼロという最悪の状況に。つまりはタダ働き。【イャンクック】の討伐を断念せざるを得ませんでした。 ハンターとしてはまだまだ未熟と言うことなのでしょうか。というか勝てる気がしないのですが。
「バケモノめ……この恨みは必ず、必ず晴らす!」
- 【参考リンク】
- イャンクック-モンスターハンター2広場
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