アキハバラはメイド喫茶だけじゃなかったのだ。
もはや社会現象にまで上り詰め、現在は飽和状態にある"萌え"産業。そんなこの世で次々と生まれては消えてゆく面白い店を巡る旅。 「冥土の旅」「アフィリア王国見聞録」に続く第3弾。
今回のコンセプトは"癒し"。 年末年始の大掃除や新年会で置いてけぼりを喰らった(→「無計画新年会」) 自分にはピッタリかと。
秋葉原駅16時。 アキバマスター(と、少なくとも自分はそう思っている)Y地氏の獅子奮迅の働きにより店に予約を入れることができました。 おかげで今回も時間を無駄にすることなく旅が満喫できそうです。
……そう、あまりの大盛況のため電話予約が必須なのです。
恥ずかしがり屋さんが多そうな客層が相手のこういう店でネットや携帯電話から予約が入れられたらお客がもっと増えそうな気がしますが。 どうなんでしょう。ご要望がありましたらお気軽にご連絡下さいませ。と、ちょっと仕事の宣伝をしてみるテスト。
閑話休題。
申し遅れましたが、今回の旅の目的地は「やまもと耳かき店」。はい、きました。 前に「壮行会」で話題に上った着物の大和撫子(店員)が膝枕で耳掃除をしてくれるお店とのこと。
ちなみに風俗店ではないらしい。
本来ならば目的地まで直行するところなのですが、予約時間まで若干の空き時間があったので近くの喫茶店で時間を潰すことに。 アキハバラで喫茶店といえばまともな喫茶店を探す方が大変かもしれません。 今回もご多分に漏れずY地氏オススメの喫茶店へ。
「ご主人様の携帯屋 魔法のティールーム キャンディフルーツ」(閉店しますた)
店名からして期待できそうです。Y地氏曰く「メイドがやっている携帯屋」だそうです。 実際に店のガラスには携帯電話のモックが展示してあるのが伺えます。 メイドが客にピッタリの携帯電話でも選んでくれるのだろうか。 あるいは特典としてメイドさんモーニングコール10回分がついてくるとか……。 まさかただ店員がメイドの格好をしているだけのつまらない店じゃないだろうな。
ところで先ほど、時間まで"喫茶店で時間を潰す"と言っておきながら、なぜ"携帯屋"なのか。 答えはカンタン。携帯屋に喫茶店が併設されているからなのです。
Y地氏の案内で店内に突入。
「………………………。」
そこはただの喫茶店でした。
"携帯屋に喫茶店が併設されている"のではなく、"喫茶店に携帯電話が申し訳程度に展示してある"だけなのだった。 おそらく店外から見えた携帯電話のモックにはうっすら埃すらかぶっているのではないか、そう思わせるほどメインのはずの携帯が隅に追いやられていた。
携帯電話関係ねーじゃん!
それどころか機種変更とか契約プランの変更をしたいと言ったら本当に手続きできるのか? 逆に今、どんな機種があるんですか?とか聞かれそうで怖い……。 ただ壁には料理の鉄人で見る肖像画よろしく可愛いモデルの女の子が携帯をもって写っている巨大ポスターが、 ドコモ、au、ソフトバンクそれぞれ3枚展示してあったのが個人的にはかなりツボだった。 あまりの良い出来映えに思わず見入ってしまう。
……ところでウィルコムとツーカーはどこですか?
立地条件も影響しているでしょうが、メイド喫茶にしては珍しく店内はガラガラ。大丈夫か?ここ。 Y地氏曰く、まだオープンしたて(※1)らしいのですが……。
(※1)オープンしたて……ホームページにも"「ひっそり」オープンした"とあるから今のところ穴場かもしれません。
そう広くない店内にはメイドが4人ほどいたのだがメイドがカウンター席の客とくっちゃべっていて、注文しようにもこちらにちっとも気づきやしねぇ。 バンコランよろしく眼力で勝負と視線を突き刺さるほど送りまくるが、ことごとく無視される。
静かな店内の雰囲気を考慮して大声を出すことは憚られたが、残念ながらこちらものんびりしている時間はなかった。
「すいませ~んっ!」業を煮やした私は手を挙げて大声で、他の客とくっちゃべっている店員メイドを呼び止めた。
すると
「お待たせいたしました。ご主人様」「は~いっ!」
何この居酒屋みたいなノリ(´・ω・`)
もっとも自分としては変に畏まられるよりも、こういうノリの方が好きだったりするのですが。それはともかく。
元気の良い店員メイドが注文を取りに来た。返事をした後で返事が店のコンセプトと違うことに気づいたようで、
しまったという顔をしていたがもう遅い。
メイド「ご注文は決まりましたでしょうか」
Y地氏「たこわさ一つ!」
メイド「申し訳ありません。たこわさは取り扱っておりません」
一瞬言葉に詰まっていたものの、なかなか見事な切り返しに少し感心。 しかしヤツらのドジっ子ぶりはこんなものではなかったのだ。
注文してから10分以上経って(←どれだけ時間かかってんだ!)紅茶とアイスコーヒーが出てきたのだが、 ウバティー(※2)を注文したY地氏のカップにはコーヒー用のクリームがついてきた(アイスコーヒー用には別にクリームがあった)。
(※2)ウバティー……世界三大紅茶の一つ。残りの2つはダージリン、キームン。
……ミルクティーを注文した覚えはないのだが。
ところでさっきから両側の客(男性客4人組と男性1名様)が痛すぎる件について。
店員メイドがテーブルに来る旅に、メイドに気に入られようと一生懸命会話している姿が手に取るようにわかる。
おまいら必死すぎ。
一方、我々はというと注文した品あまりにも出てくるのが遅かったのでのんびりと午後のティータイムを楽しむ余裕はなく、 瞬時に飲み干して早速お会計。
「すいませーん!」
さすがに学習したのか、今度は居酒屋のノリでは来なかった。
「……ご主人様たちのお会計は2,700円になります」
高けええぇぇぇええぇぇっ!!
いったいどこの世界にアイスコーヒーと紅茶2杯で2,700円も請求される店があろうか。いや、この店か。
と、いうエピソードがあったらしいのだが会計をしたのはY地氏で残念ながら私はこの会話を聞いていなかった。 心の中で変だと思いつつ諭吉を差し出したY地氏。そして渡されたお釣りが8,300円。
Y地氏「お釣りおかしくないですか?さっき2,700円と言われて1万円渡したので、お釣りは7,300円だと思うんですけど?」
動揺するメイド。「少々お待ち下さい」会計を確認しに奥へ引っ込んでしまった。 少しして戻ってきたメイドが言うには請求した金額が間違っていて(正しくは1,700円)お釣りが合っているとのこと。 そりゃ、そうか。
……っていうか、ここのメイド喫茶のコンセプトは携帯でなくドジっ子か?
どうせなら「はわわ~。間違えましたー」とかなんとか言ってカツ丼3つ持ってきてくれればネ申認定したのだが。 残念。
(後編へつづく)
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