お断り:この記事にはかなり不快な内容が含まれております。お食事をしながら読むのはご遠慮下さい。
きっとカレキチで食べたカレールーの油っこいのが合わなかったのだろう・・・と思う。カレーを食べた直後から胃がムカムカと不快指数急上昇。正直調子はあまり良くなかった。
自宅に帰るまでおよそ2時間。自宅まで果たしてもつかどうか・・・。遠距離通勤者にこれはつらい試練なのです。
会社を出てから新宿駅に着くまでに予兆はありました。しかしこれまでの経験上なんとかなると思われました。新宿駅からの取るべき選択肢は2つ。
- 特急料金を払ってロマンスカー(←トイレ付き)に乗る
- いつも通り急行で帰る
特急で帰ることになればなんとも高いカレー代(カレー+特急料金=1,080円ナリ)だと、あまりの情けなさに思わず笑ってしまうのですが、万が一の緊急事態を思い描き特急料金でトイレを買うことにした。・・・が、ロマンスカーは軟弱なサラリーマンどもによって座席は買い占められていて満席状態。そして次のロマンスカーは40分以上後。やむを得ず急行で帰ることに。
たとえ時間のかかる急行で帰るにしても、電車の中で爆睡すれば苦痛をしばらく忘れることができる(←全身麻酔効果?)。これまで私はそうして幾多の危機を乗り越えてきた。確実に座るためにホームで列に並んで電車を待つ。並んでいる間にも時々ぐるるるるるる……と火山の噴火活動は小康状態を繰り返していた。
列の先頭から4番目と"座席確保確定ゾーン"からは少し外れた位置でしたが、なんとか座席を確保。後は寝るだけです。このまま深い眠りに落ちてしまえば目が覚めたときには降車駅付近。速攻で目を閉じ後は睡魔がくるのをひたすら待つ。最近は仕事はそんなに忙しくはないのですが試験前の緊張感からか結構疲労度は結構高いようでした。幸いなことに睡魔はすぐに………。
……………………………。
……………………………。
私はあまりの異臭に眠りから引き戻されました。我慢できない臭さ。鼻がもげそうとはまさにこのことでした。
うっすら目を開けた私の目の前にあったものは・・・。
ホームレスの方。
マスクが割れたネプチューン・キングみたいな小汚いオッサンがニタニタ笑いながら立っていました。やっと思い出した。これは夏の新宿駅西口の臭いだ。自分は無神論者だがこの日ほど神を恨んだことはなかった。そして周囲の乗客もあまりの臭さに一人、また一人と密かに離脱。妙に空いた空間だけがそこにはありました。
「神よ。あなたは万人に平等ではないのですか。なぜ私にばかりこのような仕打ちをされるのですか。」
……本気で思った。
鼻で息をすると鼻がもげるので口で息をするようにしました。しかしこのような状況下でどうして眠れようか(反語)。"電車の中で爆睡して痛みを忘れる"という目論みは見事に崩れ去り、そして次の瞬間待ってましたとばかりにビッグウェーブが襲い掛かってきた。
電車は既に新宿駅を出発。耐えきれず次の駅で下車してしまえば、もう座ることは不可能。地獄の状況下で1時間以上延々と立って帰らなければなりません。しかしこの電車に乗り続けるのもある意味"地獄の状況下"。いったいどうすれば・・・。ここは穏便にご退場願うまで耐えがたきを耐え忍びがたきを忍ぶしかないのだろうか。頭の中は痛いやら臭いやら情けないやら腹立たしいやらで混乱の極み。
私の左に座っていたのは20~30歳代と思われる女性。右に座っていたのは60歳代以上の老婦人。「お前ら、裏 切 る な よ(※1)」左右を見回し心の中で祈った。
(※1)裏切るなよ・・・隣りの女性が敵前逃亡 → ホームレスの方が(私の隣りに)座る → クサー。という事態は何としてでも避けたい。
そう言えばさっきから「ホームレスの方」だなんてオブラートに包んだ表現をしていますが、そんな必要性は全く感じられない。乞食だよ、乞食。"乞食"で十分。はっきり言って社会のゴミだよ。よく「ドキュソな若者がホームレスを殺害」なんてニュースに接するたびに犯人の道徳心のなさに怒りを覚えたものだが、ようやく彼らの気持ちが判った。こっちは乞食になって社会のお荷物にならないように辛い仕事もやって少しでも社会の役に立とう毎日努力してんだよ。いや、そんなことよりもまず風呂に入れ、臭い人間は電車に乗るな!
突然湧き上がる腹痛と吐きそうなほど胃がムカムカとする朦朧とした意識の中で、そんなことを考えていました。
耐えろ、耐えろ、耐えるしかない。この乞食が降りるまでの辛抱だ(←どこで降りるか知らないけど)。いつしか拳を握りしめ、唇を噛み締めていました。手に平に突き刺さる痛みと、唇を噛む痛みとで腹痛を少しでも和らげばと思っていました。
ゴホッ、ゴホッ・・・ウヴォァ・・・ピチャ。うへへ・・・。
うつむいて痛みが通り過ぎるのを耐えていた自分の視線の先に何やらピチャピチャと液体が落ちたのが判りました。まずゴホッゴホッと咳をするたびに頭上にかかる空気すら不快だったのですが床に落ちた液体を見た瞬間、
ツバ吐くんじゃねぇ!!!
危うく自分を制御できなくなりそうでした。蹴りを入れて「電車の中でツバ吐くんじゃねぇ!!」と喚き散らしたかった。絶叫したかった。どうしようもない怒りがグルグルグルグルと頭の中を駆け回り寸前で自分を失うところでした。しかし
蹴りを入れる → 車内トラブル → 電車から降ろされる → タイーホ → 事情聴取。
異常事態を発しているケツの穴がそこまで持つ自信はありませんでした。全くもって情けないのですが私は押し黙ることしかできませんでした。恐らく体調が悪くなければ一線を踏み越えていたかも知れません。ただ体調がよければ最初の駅で降りていたと思われるのでこの事態に遭遇することもなかったか………。
(愚痴は後半へ続く……)
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