大学の同期は卒業してからかなりの年月が経つのに未だに独身貴族が多い。
暗黙の了解で結ばれている「独身同盟」
しかしそんな中でも1人。また1人……と裏切り人生のゴールインへ。
そして今年は結婚ラッシュか!?
今回は2次元の権現様、オタクの伝道師 Y地氏。
君だけはギャルゲーと一生添い遂げると思っていたのにっ!!
思い起こせば3ヶ月前の8月。実家に帰省しているときにY地氏のtwitterで"箱根に遊びに行く"情報を捕捉した。
何気なく"帰りに小田原観光でもどうですか?"と彼にメールを送ったらOKとの返事が来た。
その時に「ご報告があります」という一文を見て、私は胸騒ぎがした。
人間不思議なもので、胸騒ぎがした内容は大抵的中する。
なので仕事でも"胸騒ぎ"や"直感"はなるべく大切にするように心掛けている。
小田原駅で久々にY地氏に再会した私は、その"胸騒ぎ"が"的中"したことを知った。
「妻です」と横にいた女性を紹介されたとき「初めまして、お噂はかねがね……」と平静を繕えたのも、"胸騒ぎ"があったからだ。
まったく動揺しなかった私の姿を見て、Y地氏はきっと不思議に思ったはずだ。
あの暑い夏から時は流れて、9月の同盟の崩壊~Dr.ミズノの結婚。
帰り際にY地氏から招待状を手渡された。送料するケチるY地氏の倹約っぷり他人に発送する前にまずは我々に手渡しというY地氏の心遣いに深く感動した。
そして11月24日。
結婚式を口実に部活をさぼった私は早々と家を出て、江戸城でお城スタンプを押した後に式場に向かおうと画策していたのだが、気付いたら直行しても間に合うかどうか微妙な時間。
有明、遠いんだよ!o(`ω´*)oプンスカ!
そして夕方。海風が吹き付けて凍えるような寒さだった。
Y地氏--彼と知り合ったのは、果たしていつからだろう。
同じ大学出身なのだが学部が違うため、学生時代は接点がなかった。同期のO田君の高校時代の同級生という不思議な繋がり。
気が付いたら、頻繁に顔を合わせるDr.ミズノ被害者の会の一員になっていた。
Y地氏は学生時代から2次元の権現、オタクの伝道師。
有明で開催される年2回のオタクの祭典「コミックマーケット」には必ず出没し、オタクの聖地アキハバラに毎週通い、制覇した冥土メイド喫茶は何件なのだろうという強者。
そのくせ、オタクのイメージとはかけ離れたスマートな男(※)なのです。
(※)スマートな男……昔は本当にオタクのイメージを具現化していたらしいがダイエットに成功したとかしないとか。過去は不明。
式場に到着するとDr.ミズノ氏の結婚式以来 顔を合わせるいつもの面々。
そして今回も受付担当のS.シンジ。本当によく利用される信頼がおける男だ。
まずは式から。
図々しくも最初に教会に入った我々は係員に前の席からどうぞと案内されたが、確か最前列は親族席だったのではないかと隣にいたヨコヤマ氏と顔を見合わせた。
ちょっと遠慮して2列目に座った。すると最前列には、
ゲーム「ラブプラス」の3ヒロインが式を見届けるという趣向か。
……これはただの結婚式ではないな。
式が終わったら、しばらくは屋外パーティー。
ちょっとした食べ物や飲み物をつまみながら、しばしご歓談を………
……って、超寒いんですけど。
早く披露宴会場へ入れてくれっ(心の叫び)。いや、心じゃなくて、実際叫んでいましたけど。
今回の披露宴のテーマは、"THE オタク"
さすがオタクの伝道師を標榜するY地氏だけある。嫁側の客はサッパリわからんだろうけど。
まず呼ばれている客がすごい。髪の毛が緑色だったり、変な服着てきたり……あ、通称コスプレといいますw
むしろスーツ着て参加している我々が普通に見えるw
そして恒例のケーキは、
(※)東京ビックサイト……東京国際展示場のこと。ビジネスショウも開催されていますが「コミックマーケット」の会場でもあります
そして何よりも最大の演出がこれ。
これまでの2次元嫁への未練を断ち切り、3次元嫁を幸せにしてくれよという演出。
ゲームラブプラスのセーブデータをハンマーでゲームソフトごと物理破壊。
我々としては「面白いぞ!もっとやれ!!」などゲラゲラ笑いながら見ていたのですが、その裏では……
参列者の方がtwitterで実況報告をしたらしく、披露宴の裏でネットは大騒動。
閲覧回数11万回、1700人以上が情報を広め、2ちゃんねるにスレが建ち、ネットの記事に取り上げられるという……。
そんな歴史的な事件に居合わせていたのか……!
それはさておき
披露宴はつつがなく進み、お腹も満たされたところで、最後にサプライズが。
司会の人「みなさま、外にご注目ください!」
みんなが窓のカーテンに注目する。
カーテンがサッと開けられ、扉が全開になる。
司会の人「新郎新婦からのデザートサービスです!!」
会場の庭にデザートサービスが準備されていました。
このクソ寒い中で嫌がらせか!
しかも披露宴会場に留まることは許されず、強制的に屋外に追い出された(´・ω・`) ショボーン
体を震わせながらデザートを掻き込む。
(一番寒そうだったのがスタッフさんだろうけど)
なんという罰ゲーム……!
罰ゲームといえば今回席次を見たとき、我々のグループは2つのテーブルに分断されていた。
私やヨコヤマ氏、O田さんの席は男ばっかり
Dr.ミズノ、W海さん、S.シンジは女子たちとの相席。
披露宴とは新郎新婦の門出を祝うという目的が第一だが、我々のような独身者に出会いの場を提供する席ではないのか!
なのに、なのに!
我々を男ばかりの席に放り込むなんて、なんて気の利かない新郎であろうか。隣のテーブルがよろしくやっているところを指くわえて見ていろというのか。なんの罰ゲームであろうか。
と不満タラタラでした。気になってふとその隣のテーブルを見てみると……
……人のことは悪く言うまい。
何とも趣向を凝らした宴は終わりを迎え、恒例の締めくくり。
新郎Y地氏の挨拶やエンディングのビデオを見ながら、出会ってからの彼とのことを思い出す。
以前はよくメイド喫茶巡りに付き合わされて、遊びに行ったものです。
我が儘な私は、よくブチ切れて文句タラタラ言っていたような気もします。
そんな中でも彼はじっと辛抱して怒っているところを見たことがない。
人一倍、人のことを気にかけて、気を遣ってくれて、人の幸せは自分の喜びだと言わんばかり。
そう言えば自分が教員採用試験に通ったときは、たいそう喜んでくれて就職祝い(特注の出席簿(※))まで頂きました。
(※)特注の出席簿……表紙に"物理"と装丁してある出席簿。もっとも相当高価だったらしく、後で事の顛末をお金を出してくれたみんなから聞きました。
そんな人のために尽くす男Y地氏。
きっと嫁のために尽くして幸せな家庭を築いてくれると確信しています。末永くお幸せに!
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