第1日目
試験開始の1時間前だというのに津駅前は既にスーツを着た人間でごった返していました。これはどこの採用試験でも変わらない風景か。 試験会場によってはバスでないと行けない所もあるため臨時バス乗り場はそれらの人間により大混雑。 初めての土地でこの混雑は厳しいため、こちらの試験会場は歩いていける場所で良かったと改めて実感しました。
どこまでも続く坂道をえんえんと歩きます。幸いにも他の受験生(スーツを着ているのですぐ判る)もゾロゾロと歩いていたので道に迷うことはありませんでした。
試験雑感(東京都)でも書きましたが、大学受験やらこういう試験のときには必ず沿道で予備校の連中が「最終確認のチェックシートを配布してまーす」などと言いながらビラ配りの営業活動をやっているものです。 今回も案の定いました。しかしビラを配っているのがどう見ても地元(?)のお婆ちゃんとかオバチャン。
ビラ配りに年寄りを動員するのは止めて下さい。断りづらいことこの上ない(;´Д`)
会場に到着したのが試験開始の20分前。会場は普通の県立高校なのですが、試験会場となる教室に入って驚きました。 各座席に受験番号が貼っていない……教卓の上に座席配置図と受験番号の一覧が書かれた紙が1枚置いてあるだけ。 後は勝手に座れということか。"何も準備していません"感がありありと見て取れました。
午前9時。試験監督(←どう見ても教員)入室。ありきたりの注意と説明を行います。 注意の中で目を引いたのは試験中は携帯電話の電源を切ることは当たり前なのですが休み時間も携帯を使うな、と言われたこと。 東京都と比べてこの辺りは非常に厳しい。
一時間目は専門教養試験(60分)。物理、化学、生物に関する選択問題と共通問題を解く。 というかこの1年間独学で準備した地学が試験範囲にない時点でオワタ(←要項見て知ったのは前日という体たらく)という感じなのですが、 東京都の試験が終わってからサボリまくっていたため、忘れていた内容が多すぎました。 公式も問題を解きながら「あれ………これはなんだっけ……」などと、もう冷や汗ダラダラもの。 当然、頼みの綱していた物理がこの有様のため化学、生物は言うに及ばず。
………完全に撃沈。
そもそも事前の加点申請(※1)がない時点で、全ての科目で満点近い得点をあげることが合格への最低ラインだったのに専門教養で失敗してしまい、 もうエクトプラズムが口からビロビロ抜け出た感じ。
(※1)加点申請……三重県は採用にあたってスポーツなどで優秀な成績を収めた人、ポルドガル語が出来る人、複数教科の免許状を持っている人などを優遇して試験の合計点に一定得点を加えることを行っている。
もう帰ってよろしいですか?
二時間目は適性検査(60分)。正直これは何をやるのか試験が始まるまで全然判らなかった。 最初は一般教養のことかと思っていたら一般教養試験は午後から別で行われる予定。 他の受験生に聞くわけにもいかないし、結構問題が配られるまでドキドキしていました。
巻物みたいな解答用紙が配布され、ふと目を落としてみるとそこにはただの数字の羅列。 なんだこれ?さらによく見てみると"内田クレペリン検査"(外部リンク:内田クレペリン検査)の文字が。うわわぁぁぁぁ……これかぁ。 教職教養で名前だけの知識はあったものの実際にどんなものかはやったことがありませんでした。
早い話が内田式クレペリン検査とはひたすら一桁の足し算をする検査。これを「はじめ」「はい、次」(←次の行に移る合図)「やめ」の合図の元にマシンのように足し算を繰り返します。 これにより「どれだけ仕事が早くできるか」「コンスタントに仕事のパフォーマンスを維持できるか」が判るようです。
合図に従って猛烈に足し算です。そしてずっと続けると煩悩が昇華されていく気分になります。少しでも違う思考が脳裏をよぎると途端に計算スピードが落ちてガタガタになります。最後には前後の数字だけをひたすら追いかけるので、チカチカと紙の上から数字が浮かび上がるようになり一種のトランス状態に陥ります。 そして体力をごっそり持って行かれて「やめ」の合図と共に机の上に突っ伏してしまい、しばらく起きあがれなかった。
内田勇三郎先生(※2)お恨み申し上げます。
(※2)内田勇三郎……心理学者。内田クレペリン検査の開発者。
昼休み。話し相手など誰もいないので一人で黙々とコンビニ弁当を食べる。……いつもの事ながら虚しさを憶える。
昼休み後に館内放送。1次試験の発表についての説明はいいとして、三重県の教員採用試験の狙いについて語られたのには困った。三重県では幅広く人材を求めるために競争試験ではなく選考試験を実施している。 求めている人材は……以下云々。という内容のことを放送で今さら語られましても………。どうせ"選考試験"とか言っておきながら蓋を開けてみればペーパー試験の点数順に合格発表出しているんでしょ。本音と建て前がうまいんだから。
確か昼休み後に整理票(という名の履歴書)を回収したのですが、見た感じ受験者の8割以上が現職(正規教員か非常勤講師)(※3)だったのには驚きました。非常に教員採用が狭き門であることを実感させられました。 しかし考えてみれば、
現役(在学中)で不合格 → 非常勤講師 or ムショク → 受かるまで受験。
あるいは、
現役(在学中)で不合格 → 就職 → もう受験しない。
のどちらかであることを考えれば、受験者が現職ばかりになるのは納得できる気がします。それだけ採用は狭き門だという気がします。しかし自分が小中学生だったころには非常勤講師なんていませんでしたけどね。
(※3)8割以上が現職……整理票の職業欄には現職は赤字で記載することになっているためよく目立つ。
三時間目は一般教養試験(60分)。専門教養試験と違ってこちらは問題数が少なく、かなりゆっくりのペースで解いたものの時間が余ってしまった。そしてこれは簡単すぎだろ。 と思ったものの、余った時間で見直してみるとあちこちで勘違いやら選択肢が絞りきれずに悩んだ問題が続出。……デキの方はどうだろうか。
1日目の試験ラストを飾るのは四時間目の論述問題(60分)。常日頃女子校生に思いを馳せ教育問題について考えている自分にとっては簡単、カンタン。東京都に引き続いて嘘八百書き並べてやるぜ。などと余裕ぶっこいていたら……
「学習指導要領には「確かな学力」を身につけさせるため5つの方針が載っている。それに関して200字以内で説明せよ」
・・・えーっと、そんな方針ありましたっけ?全く知りませんが。なにか。
「人権感覚の教育を目指す取組では、教員が児童・生徒にどのような能力や技能もを培うことが求められているか。250字以内で説明せよ」
・・・在日は祖国へ(・∀・)カエレ!!
「三重県も「子育て支援アクションプラン」を策定したが、教員として果たすことのできる次世代育成(子育て)支援について200字以内で説明せよ」
・・・生徒にXXで○○の▲▲(違
完全にやられました。まぁこれも過去問をチェックしなかった自分が悪いのですが。"論文"じゃなくて"論述"ね。なるほど。一応それなりに書きましたよ(もちろんこんな変なことは書いていません。念のため)。書きはしましたがねぇ……もうだめぽ。
(長くなりそうなので続く)
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