ああ、思いっきり失敗してしまいもう茫然自失。人生良いことないね。
……思い出すのは辛いけれど、来年のために東京都と三重県の試験内容を振り返っておきます。今回は東京都編です。
今回の試験会場は大田区の六郷工科高校。受験者控え室である大会議室(←自分の高校にはこんな部屋なかった)では冷房がよく効いていて、東京都の威信をかけた設備であることを実感します。
あらかじめ受験番号で指定された席に座って係員が来るのを待ちます。座席の配置順から考えて長テーブル2列ごとのグループが集団面接の組であることが予想できました。 とりあえず試験官が入室するまで左右の人と後ろの長テーブルに座っている2人に挨拶(←自分から話しかけたわけではないですが自然とそうなった)。 集団面接では受験者同士の協調性がよく見られる……という噂。
集団面接が一緒のグループになると予想される5人(←ちなみに全員男)のメンバは、自分(会社員)、F田さん(大学院生兼非常勤講師)、K村さん(自営業)、A倉さん(非常勤講師)、H郷さん(非常勤講師)と千差万別。 しかし未だに全員の顔と名前が一致できているな。これも脳トレ効果か?
5人で互いに素性や2次試験対策や一次試験の試験官が面白かった(←受験番号が近いから教室が同じ)など、たわいもない話をした。東京都は今年から2次試験の内容が変わったのでみんな不安に思っていることは同じです。
9時前に係員が入室してグループ別に試験の説明を始めます。やはり予想通り我々5人は同じ集団面接のグループでした。そして我々のグループは集団面接→個人面接という流れとのこと。次第に緊張感が高まってきます。
やがて時間になり係員に誘導されてグループごとに教室まで向かいます。
集団面接(60分)
教室前に誘導された我々は係員に「ちょっと集まって……」と言われ、係員を中心に半円陣を組まされました。そして係員から集団面接に向けての最後の注意を受けます。
一通りの説明が終わった後、係員が「もっと近こう寄れ」と言わんばかりに手招きするので5人は顔を寄せ合うように係員に近づきます。
すると係員は小声で、
係員「……これは言っていいかわからないけど。まず声が小さかったらダメ。みんなは男性だから大丈夫だと思うけれど。大きな声で。 それから集団面接だから協調性が必要なんだけれども、黙っていてはダメ。長い時間討論やっているんだから、思うことは必ずあるはず。 思ったことはしっかり発言して自分をアピールしなきゃダメなんだよ。声の大きさと自分をアピールすること、それ以外で差なんか着きはしないんだ」
係員「実はこの廊下をまっすぐ行って曲がったところに水道があるんですよ。試験までもう少し時間があるから、そこの水道でみんな口をゆすいでおいで。みんな頑張って」
異例とも言える係員の熱い訓辞。勇気づけられました。我々5人だけ廊下を歩いて水道で口をゆすぎました。他の教室前で待っているグループは廊下を歩く我々の姿を不思議そうに見ていました。
時間になり教室に入室。試験官3人の前に5人分の机と椅子が半円形に並べられていました。
今年から集団討論ではなく集団面接と名前が変わった2次試験。ただ試験内容は例年とさほど変わらない様子。しかし今回は新たに解答用紙が加わりました。
今年の集団面接の流れは以下でした。
- 試験官による説明。問題用紙、解答用紙の配布(5分)
- 問題を読み、解答用紙に自分の考えを3つ書く(10分)
- 解答内容を一人ずつ発表(5分~10分程度)
- 5人の解答の中でグループにおける統一見解を討論して導く(30分程度)
- 試験官から各個人に質問(残り時間)
試験官のチーンというベルの音を合図に問題冊子を開きます。そこに書かれていた文章は、
よりよい授業を行うために大切だと思うことを3つ順番に挙げなさない。
問題冊子は回収されてしまったので細かい部分は異なるかもしれませんが、だいたいこのような内容でした。実はと言うと集団討論はあまり好きではありません。 会社の会議とか大学サークルの打ち合わせのような雰囲気を想像している方はそのギャップに驚きます。 会話は気持ち悪いぐらいの敬語で交わされるわ、突然「これまでの内容をまとめますと……」とか勝手にまとめ出す奴が出現するわ………。 教育問題について議論しているんだからさ、もっと腹を割って話そうぜ。
私などはそう思うわけです。まぁ2年前にぶっちゃけて話しをしたら見事不合格になった人間がここにいたりしますが……。
我々のグループの集団討論はA倉さんが最初に「みなさんの回答を総合しますと実験が必要だという意見だと思うのですが、それで問題はないでしょうか」と言いだし、全員が賛同したため開始1分で見解が統一。 残りの時間はその見解に対して具体的な実践例とか問題点を延べあったりして終了。
私は良い授業の3つに「生徒自身が自分の考えを持ち、自信を持って発言するような授業」「実験などを取り入れて常に"なんだろう"と疑問、関心を持たせるような授業」「生徒同士のコミュニケーションを密になるような授業」という"学校だけでなく社会に出て生きていく上で必要なスキル"を掲げたのですが他の4人からは完全に無視されました。
よく「Aさんの仰ったように……」とか「Eさんの意見には賛成で……」と討論は展開されるのですが、誰も「Bさん(←自分のこと)の意見に……」とは言ってくれなかった。 自分の教育観が革新的で誰も理解してくれないのか、デムパ受信しちゃっているから無視されているものなのか……どうなんでしょう。私の持論は間違っていないと確信しているのですが。
最後の試験官の質問は、問題の内容とはまったく関係がないものばかりでした。
- みんなが親からしつけられたものの中で一番印象に残った内容
- 理科を勉強するのがつまらない、勉強する意味がないと生徒に言われたとき、どう答えるか?
あと一つは忘れました。
個人面接(40分)
自分は集団面接後に控え室で1時間待ち。その後、係員に誘導されて教室の前へ。 試験官の休憩後1発目の面接だったので前の人の質問は聞くことができませんでした。 緊張でどうにかなってしまいそうになる長い長い待ち時間(←たぶん時間的には5分ぐらい)。 やがて時間になったので教室の中へ……。
教室は試験官3人(女性、男性、男性)の前に自分が座る椅子が置いてあるだけでした。
結果から言うと、自分で何を回答したのかもう覚えていないぐらいしどろもどろでした。まず一発目に名前を確認された後、
試験官「試験官を生徒だと思って挨拶して下さい。場面設定はあなたが最初に赴任したクラスでの最初の挨拶です。時間は2分間です」
この瞬間、頭の中が真っ白になってしまいました。いや突然言われて挨拶できるかよ。普通、前日に話す内容を考えてメモしてくるだろ。 とりあえず最初に大きな声で「おはようございます」と挨拶して、黒板に自分の名前を大きく書いて自己紹介。 その後、1年間クラスを運営するに当たって生徒に守ってもらいたい約束事を話したような……考えてみたらこれ中学校で話す内容だよな。もうだめぽ。
しかも途中で「えーっと……」とか声に詰まる始末。挙げ句の果てには試験官にチーンとベルを鳴らされ「2分間経ちましたので……」と苦笑いされ完全に撃沈。 この瞬間「もう帰って良いですか?」と言い出しそうになりました。
残りの質問内容はまず作成してきた単元指導案について。ダメ出しはされなかったものの細かく聞かれました。
- この単元を選んだ理由
- この単元指導計画で工夫した点
- この単元指導計画で一番教えたいところ
- この指導計画の中で実験を行うところは考えていますか?生徒が行う実験については?
- 単元指導計画が「力と運動の法則」ということですが、力について理解できない生徒が多いと思います。そんな生徒にどう説明しますか?
- "力のはたらき"の授業が終わった後で生徒がまだ理解できていなかったりします。その場合にこの指導計画に変更はありますか?
- 生徒の評価について色々書いているようですが、具体的にはどのような評価を考えていますか?
生活指導・その他については、
- 民間の会社を辞めてまで教員をやりたい理由
- (上の回答に関連して)今の会社でこれまで成功した仕事を続けようと思わないのですか?
- クラスの生徒から「○○先生の授業はつまらない」と相談を受けた。どう対応するか。
- 同様のことを生徒ではなく保護者から言われた。どう対応するか。
- クラスの生徒から「○○先生は部活の顧問に出てくれない」と相談を受けた。どう対応するか。
- (面接表に書いていないスポーツの名前を挙げられ)その部活の顧問になってくれと言われたらどうしますか?
- 生徒が茶髪にしてきました。どう指導しますか?
- (上の回答に関連して)「そんなの知らない」と生徒に言われたらどうしますか?
- (上の回答に関連して)さらに「そんなの関係ない」と生徒に言われたらどうしますか?
- (大学の専攻に関して)「生徒にそんな勉強つまらない。する必要がない」と言われたらどう対応しますか?
- (ボランティアについて)そのボランティア活動で学んだこと
- 初めてコンピュータを触る生徒に教えるためのノウハウはありますか?
- 教育実習で一番感動したこと。
- あなたが実習した頃と比べて今の中高校生は変わっていると思いますが、どうですか?
他にも、面接表にかかれた志望動機についてかなり突っ込まれました(特に会社を辞めて教員になりたい理由のところを細かく)。 自分なりに志望動機は念入りに考えたつもりだったのですが、考えがアホなのか説明不足なのか試験官の反応は芳しくありませんでした。
……というわけで、これは落ちたな……と。ただ教員になりたい(理由は怪しいけど)。教員になったら何でもやります。ということだけはしゃべってきました。 伝わったかどうか知りませんが。
試験が終わった後は疲れがどっと出てもう放心状態。特に志望動機と学級経営についてあまり深く考えていないことが露呈。
面接でこんな大失態は久しぶりでした……。かつて面接では連戦連勝を誇っていた自分なのに、この体たらくはいったいなんだ。 自分の不甲斐なさに腹が立ってしょうがありません。
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