ああ、思いっきり失敗してしまいもう茫然自失。人生良いことないね。
……思い出すのは辛いけれど、来年のために東京都と三重県の試験内容を振り返っておきます。今回は三重県編です。
2次試験の会場は三重県立看護大学。津駅からバスで10~15分という周囲に何もない静かで勉学に励むには絶好の場所にあります。
たしか1次試験の案内には"ネクタイ、上着はしなくても構いません"と書かれていましたが、2次試験の案内にはそんな文句は一切書かれていなかったためネクタイ+上着という暑苦しい格好で出発。
1次試験とは違い待機教室の机には一人一人の受験番号とネームプレートが置いてあったので、幸い席はすぐ判りました。 周囲の見渡すとさすがに1次試験を突破した歴戦の勇士、みんな神妙な面持ち……というわけでもなく、やはり非常勤講師をしている方同士の知り合いが多いのでしょうか。 あちこちから会話が聞こえ、張りつめたような緊張感はありませんでした。
一つ後ろの席の人が1次試験の集団面接で同じだった現役非常勤講師の方(←私を見て「強敵やなぁ……」と言った人)だったので、再会を喜ぶと共に係員が入ってくるまで色々話を聞くことが出来ました。
理科の1次試験合格者は10人なので物理の採用は1人、あっても2人程度だろう。そうなると午前の部(合格者10名のうち5名が午前の部、5名が午後の部)で物理受験の人間は俺(非常勤講師の方)とあなた(私のこと)しかいないはず。 そうなると午後の部で物理受験の人間がもう1人いるとすれば、俺とあなたのどちらかが合格する可能性が高い。あるいは両方落ちるか、両方受かるかするかもしれんけど。
確かに他の3人に志望教科を聞いてみたら非常勤講師の方の言うとおり化学1人生物2人で物理は我々だけ。物理の採用なんてそんなもんか。確かに人気ないからなぁ。 こちらとしては「どちからが合格する」なんて言われても自分の教育観を精一杯アピールするしかできません。そして普通に考えてみれば現役講師と会社員では実績で比較されれば私の勝ち目なんてほとんど無いわけです。 挑戦者の立場としては気が楽なものです(←それなりに緊張しています。念のため)
集団面接・討論(20分)
……20分でいったい何をしろと。
試験内容は発表の後で討論が追加になったのを除けば1次試験時とさほど変わりません。
- 試験官による問題の発表
- 考えがまとまった人から発表(1人1分程度)
- お題についての話し合い(残り時間)
ただ東京都と違ってメモは取れませんで、各個人の内容を憶えておいて討論に望む必要があります。
問題:生徒や保護者から信頼を得るためにはどうすればよいですか?
一人一人の発表が終了し、いよいよ討論。一番左の人が最初の口を開きます。
「このことについての現場での実践例をお聞かせ願えれば……」
教育現場に立ったことがない会社員に実践例を話せと。そんな酷い……(´Д⊂グスン
自分以外の4人は非常勤講師の方。そりゃそうか。なんか場違いな所に来ちゃったなぁ。 そんなことを思いつつ教育関連の本などで得た知識を適当に喋りました。
喋りながら頭の中では何年か前にNHKでやってた新春対談の糸井重里を思い出していました。 確かあの時は糸井さんが司会で専門家のジジイを呼んである議題(←どんな議題なのかは忘れた)について議論する……って内容だったような気がします。 どう見ても糸井さんは門外漢。識者のジジイどもも最初は「こいつに何がわかる。ケッ」みたいな感じでヤル気なさそうにしていたのですが、 糸井さんの巧みな話術でうまく問題点を引き出し、識者のジジイどももヤル気がなかったのは最初だけ。 途中から糸井さんの話にグイグイ引き込まれるようにして議論が白熱していたのが印象的でした。その瞬間自分の中で糸井重里はただの「埋蔵金オヤジ」じゃなくなった。
閑話休題。話の成り行きで自分が司会のようになって、人に話を振ったり疑問を投げかけたりしていました。こうでもしないと自分の発言機会なんてありませんしね……。
そうこうするうちに時間となり集団面接は終了。別に試験官から結論出せとも言われていないし、ただのお喋りに終始してしまった感がありますが。 「お疲れ様でした」という試験官の言葉と共に退室。
しかし女性が2人いたせいもあってか、東京都の時みたいに突然「これまでの話をまとめますと~」とか言い出す変なヤツもなく和気藹々と話し合いができました。 三重県はこういう素朴な所があって好きです。
個人面接(30分)
待機教室で約50分待ち。前の人の面接終了時間10分前になったら勝手に面接場所の教室前まで移動するシステム。教室は防音設備が素晴らしく残念ながら前の人の面接内容は聞こえませんでした。
やがて時間となり試験官に呼ばれて教室の中へ。試験官は集団面接の時と同じ試験官。いろいろ聞かれましたが、これもまぁコテンパンでした。 非常勤講師の方の話によれば面接官3人の構成は校長、教育委員会、企業の人事担当という噂。
- 理科4科目の得意な順番
- 上記4科目でセンター試験レベルの指導が出来るのはどれか?
- なぜ三重県を受験したのか?(自分が神奈川出身のため)
- 健康状態はどうか
- 今の仕事内容
- なぜ企業を辞めてまで教員になろうと思ったのか
- (上記の回答について)どうすればあなたの言うことが実現できるか?
- (上記の回答について)具体的な事例はあるのか?
- 勤めている企業の社員の雰囲気
- 実験中に事故があったときの対処方法
- 年の離れた友人について話す
- これまで一番苦労したこと
- 指導困難校に赴任することについて
- なぜ高等学校を志望したか?
- ボランティア活動はやったのか?
- (上記の回答について)その活動で得たものは何か?
- 生徒に「理科なんて勉強する意味ない」と言われたらどうするか?
- 昔と違い今の生徒は変わっていると思うが、どう思うか?
- (得意なスポーツについて)部活動でどういうプランを考えているか?
だいたいこんな感じだったと思います。企業から教員に転身しようという理由について特に事細かく突っ込まれました。 東京都の面接と同じ事を喋ったつもりだったのですが、途中から試験官が薄ら笑いを浮かべ始めた瞬間「ああ……終わったな」と。 やはり動機付けが甘いのか?
さらには「これまで一番苦労したこと」は全く想定外の質問だったので、答えはしどろもどろ。 なんか支離滅裂なとんでもないことを喋った気がします。
やはり「一番嬉しかったこと」「一番教えたいこと」「一番○○」……などの回答はあらかじめ考えておいた方が良かったのかもしれません。
時間になり面接は終了。挨拶をして教室を出ると非常勤講師の方が非常に緊張した様子で座っていたので、小声で激励の言葉をかけて試験会場を後にしました。
校舎の外に出た瞬間「失敗に終わった……」という気持ちから妙に清々しい気分になりました。 東京に引き続いてとんでもない地雷を踏んでしまったようです。応援してくれた方、申し訳ない。
- 【参考リンク】
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