進路、進路、進路

2013-01-26 (土)
- 或る日常の風景/学級日誌

3学期の始業式過ぎた辺りから緊張の日々が続いている。

ベテランの先生方からは、
「いよいよ3担(3年生の担任の意)ですね。進路は大変ですよ
など常々言われ続けていたが、何が大変なのかサッパリ理解できなかった。

2学期あたりから進路指導が本格的になってくる。
進路希望調査を行い、三者面談で本人と親と可能性を探ってゆく。

元来、自分は神奈川県の人間。
神奈川県の県立高校なら、どこが賢くて、どこがアホ高校か、だいたいのイメージはつくのだが、東京都にどんな高校があるのかすら判らない。
そんな自分に進路指導などできるのだろうかと不安ではあったが、そこは口から出任せ嘘八百商売。

実力テストや定期テストから、生徒のだいたいの得点力はわかる。
今は"偏差値"という言葉は使ってはいけなくなり(※)、結局受かるのか受からないのかは、すごく曖昧な状態。
けれども某調査結果からデータは揃っていて、そのデータを見ながら「可能性は高いだの」「これは厳しいっすよ…」と面談でつきつけて選択を迫る。

(※)"偏差値"という言葉は使ってはいけなくなり……ですが、塾に通っている生徒はよく知っていますw

都立をチャレンジするのであれば、私立の併願を勧めたりと、どこも受からなかった場合に"定時制高校"とか"通信制高校"しかないという 最悪ルートにならないように指導を進めていく。
もちろん最終的に志望校を決めるのは、本人であり家庭である。
こちらはアドバイスに徹するのみで、「ここの高校を受けなさい」とか「絶対無理」とは口が裂けても言わない。
無謀すぎる…とは内心では思っているけど。

そんな風にして年末まで志望校を決めさせていく。
ここまではそんなに大変だと思ったことはなく、それなりに乗り切ってきた。
志望校さえ決まれば、あとは受験するだけ。頑張って!

……ベテランの先生方が「進路は大変だ」と言っていたのは、実はここからだった。

中学校が高校に提出する書類の一つに「調査書」というのがある。いわゆる内申書というヤツだ。
通知表の54321やらABCやら、欠席日数やらが書いてある紙だ。
以前、少なくとも神奈川県では調査書に何が書かれているか生徒は全く知る由もなかったが、今日東京都では保護者宛に調査書に何を書いたか 事前にお知らせすることになっていて、時代は変わったものだと感心した。

都立の調査書の様式は、今年は多少変更になっているもののだいたいこんな感じ

この調査書の作成がまた大変だ。
都立高校の場合はバソコンで可、となっているので、ガシガシ打ち込んでプリンタで印刷してハンコ押して終了!と入力する情報さえ間違わなければ、そんなに大変ではないが、 一部の私立高校は専用の用紙に手書きしなければならぬ。

しかもなぜに色紙……。

書き損じなど失敗できない(※)ので、1枚書くのに酷く緊張する。

(※)失敗できない……万が一、書き損じた場合は公印と呼ばれる学校長の印鑑で訂正可能。だが合否に関する資料なので、訂正印はなんとなく気分が悪い。

さらには、担任が書く所見欄が異常に大きかったりする。"学習の所見"、"生活の所見"、"総合の所見"とかたくさんある場合もある。
さすがに「特になし」とは書けないし、内容がスカスカなのも気分が悪いので一生懸命考えて書く。もちろん嘘は書けないので、言葉の言い回しに苦労する。

私立高校を1人で2校も3校も受験するヤツは、その枚数 調査書を書かねばならない。
もっと簡略化すればいいのに、何かの嫌がらせか。

その調査書を書いたら、今度は封筒につめて厳封する。
万が一ミスったら大変なので、この作業も緊張する。
普段の授業やクラス指導を抱えながら空き時間で調査書を書いたり、封筒につめたりするので、疲れてボーッとした頭でなんとなく 作業をしたりすると、封筒に入れ忘れたとか、別の生徒の調査書を間違って入れてしまったなど最悪な事態になってしまう。
何度も、何度も確認して作業を行う。

この時期に生徒が何かやらかして生活指導が入ったり、授業中教室に入らず保健室や廊下でウダウダしている連中がいたりすると、ブチ切れそうになる。
……すでに心にゆとりがなかったりする。

都立高校は推薦入試もあるので、推薦状も書かなければならぬ。
生徒の志望校や志望学科など一人一人の進路先を把握するのも、これまた大変。大抵の高校は"普通科"なのだが、中には"総合情報なんたら"とか "ビジネスコミュニケーションなんたら"などイレギュラーな学科が増えてきたのでややこしい。コピペで行くとハマる。
そして推薦理由。これも作文して頑張る。

先日、都立高校の推薦出願日だった。
一人一人、十分確認をして気をつけたつもりだったが、やらかしてしまい高校から電話がかかってきた。
卒業見込年が"平成24年"になってしまっていた。
新しい調査書を作成し直して、高校に届けに行った。

都立高校の場合は全部の高校の出願日は同じなので、Xデーだけ覚えておけば問題ない。
私立高校は高校ごとに出願日が違うからやっかいだ。
生徒から「お前の受験する高校の出願日はいつだ」と、紙に書かせて提出させるものの全ての生徒が賢いわけではない。
全く理解していなかったり、間違って書いてくるヤツもいる。結局、こちらで調べなければならぬ。

そして調査書を生徒に渡し忘れたら、それこそ切腹ものだ。
進路はこんなに大変とは……。

明日、明後日と都立高校の推薦受験なのだが……。 すでにウチの受験生が2人インフルエンザに感染したと連絡があった。その対応やらフォローやらで休日なのにてんてこ舞い。

ちなみに生徒がインフルエンザに感染したらどうなるか。
都立高校は受験できない→自動的に不合格になってしまう。別室受験もできないし、別日程も許されない。
まさに一発勝負なのである。

まだまだ緊張の日々は続く。

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