日本人とは実に不思議な民族だと思う。
無宗教とか言われながらも、正月になればゾロゾロと神社や寺など宗教施設(*)に押し寄せてお祈りをするという。
(*)しかも寺と神社じゃ宗教も違うのに気にもしていない。
明治神宮なんて3日間で300万人以上が訪れるという。
まぁ、そんな無頓着なところがやっぱり"無宗教"と言われる所以か。
自分もご他聞に漏れず、初詣に行って来た。
寒川神社(1月3日)
古くからの友人H野から突然電話がかかってきたのは年末のことだった。これから帰省するから年始にでも会わないかといった内容だった。
H野は高校時代の数少ない友人の1人だ。高校時代はよく遊んだものだったが卒業と同時に彼は地方の大学へ進学し、会う機会が減った。
自分が合宿で免許を取ったとき地方の彼の家にお世話になり宿泊費を浮かせたり、結婚式に呼ばれて披露宴で女装させられたり…と言ってみれば腐れ縁。
彼に会うのは結婚式以来の7,8年ぶり。
そんなH野も今では2児の父親で大学の助教授。
時代の流れは早いもの。比べることは何の利益にもならないが、まるで自分だけ時が止まっているようだ。
せっかくなので初詣にでも行こうじゃないかと提案し、寒川神社に行くことにした。
考えてみればここ数年、初詣に行く神社がちがう。
- 2013年…荏柄天神社・鶴岡八幡宮
- 2012年…箱根神社
- 2011,2010年…(忘れた)
- 2009年…大國魂神社
- 2008年…浅草寺
こうして思い出してみると随分浮気性なものだ。そして行く先々の神社で必ず「厄除け御守」を購入することを心に決めている。
御守は1年経つと神社に納めることになっているが、毎年持っていくのを忘れるため厄除け御守のコレクション状態となっている。
寒川神社は関東ではそこそこ有名な神社だろう。そして寒川神社の"八方除"だなんていかにもウチのクラス向きじゃないか。
久々に会うH野。近況は年1枚の年賀はがきのコメントでしか分からない。
けれど不思議なものだ。会ってみるとさほど話すことがない。「今はどうしているのか?」その近況報告で終わってしまった。
確かに結婚式以来7,8年間の出来事を聞いてみても過去は過去。しょうがないのかもしれない。
だが、我々が共通して過ごした高校の思い出になると盛り上がる。驚いたことに彼は今でも高校の同級生とつながりが深い(*)。
(*)自分なんぞ高校の友人の消息は彼を含めて3人しか知らないw
共通の友人の名前が出てくると、10年以上ぶりに聞く名前なのにパッとそいつの顔を思い出せる。もちろん高校当時の顔だけど。
過去の記憶を掘り返して頭の体操になったようで実に気分が良かった。
寒川神社に到着。近くの道路は激混みで電車かバスで行くべきだったかと若干後悔した。
まずは手水舎で身を清める。大勢の人間でごった返していてなかなか自分の番が回ってこない。
そういえば年末にジャニーズが出演していた番組で、神社の参拝の仕方が出ていた。
順番待っている間に観察していると、みんなきちんと作法どおりにやっている。番組の威力は絶大だな、などと感心していたら何のことはない。
水盤の上に思いっきり作法が書いてあった。
次に参拝だ。さすがに「南無阿弥陀仏」と唱える人間はいないだろうが(笑)。参拝の作法が浸透しているのか小さい子どもまでが親に「二礼二拍手一礼だよね!」などと聞いている。
例の年末の番組で「お賽銭はお気持ちです」とやっていたので、適当に10円を放り込んで参拝する。
願い事はもちろん「クラスの平和」と「家族の健康」だ。
……しまった、嫁をお願いすることを忘れていた。
例の厄除け御守を購入した後は、おみくじだ。今年1年の運試し。でやっ!
吉
まぁまぁか!
とりあえず読んでみる。
商売…強力に事を運べば失敗につながる。
待ち人…招かざる客あり。
進学…失敗してもめげずに努力を続けよ。
失物…出るのが困難
旅行…火難に注意
病気…体調の変化は心配ないが精神面で注意
縁談…辛抱して良縁を待つこと。
金運…思うようにならぬ寒川神社「吉」おみくじ
……本当に「吉」なのだろうか。
なかなか手厳しいおみくじに新年早々打ちひしがれてしまった。
大切なのは自分の心がけ。
少しでも良い1年になりますように。
湯島天神(1月5日)
前任校でお世話になったT橋先生のお誘いで湯島天神へ。
昨年は自分が3年生の担任ということもあり学問の神様に初詣に行ったが、今年はT橋先生が3年生の担任。
「できることは全てやっておきたい」
やはり考えることは同じ。それでもT橋先生は毎年湯島天神へ参拝しているという。聞いてみれば部活に所属していた3年生のために来るとのこと。
自分の一歩上を行く人だ。素直にすごいと思う。
T橋先生はクラスの子には1人1本湯島天神の鉛筆を、部活の3年生には貝殻御守を1人1つ買っているという。
車の中で部活の3年生の人数を数えて……26人かぁ(3年生だけ)。いくらかかるんだろう(笑)
学校の教員とは実に金のかかる職業だと思う。
湯島天神に到着。ついでに自分も参拝。
ところでここは天神様。作法はどうなっているんだ、作法は。よくわからなかったので神社と同じように参拝したが、
調べてみたら正解のようだ。
学問の神様だけあって、気になるのは絵馬。
参拝者のどろどろした欲望切なる願いが絵馬に込められている。
個人的に思うのは、やはり具体的に学校や試験名を書かないと見ていておもしろくない天神様もどう叶えたら良いか分からないと思う。
やはり、
「第一志望に合格しますように」
ではなく、
「○○大学に合格しますように」
だと思う。
そんな中で見つけた絵馬がこれ。
公務員試験に合格しますように。
就識できますように。
湯島天神の絵馬
×就識 → ○就職
公務員試験はちょっと厳しいかと……。
自分に関係ないと完全他人ごと。人間とはなんと現金なのだろう。
- 【関連記事】
Comments