おことわり:
半年前に下書きをした記事ですが……記録がてらアップしておきます。ぐずぐずしていると1年過ぎてしまうのでw
2次試験が終わって1週間。
オリンピックが終わった後に選手たちに今後の進退や、今の気持ちを訪ねると「何も考えたくない」「今は休みたい」という答えが返ってくることが多い。
オリンピック選手と比較するとは選手に失礼だ!!とお叱りを受けそうですが、今は選手たちの気持ちがよく判る。
とにかくボーッとしてしまう。
会社に行っても、ただ座っているだけで仕事に身が入らない。
体という空虚な殻だけが存在して、中身がどこか蒸発してしまったかのようだ。
昨日も何をやろうという情熱もなく。
本来ならば2次試験が合格したと想定し、来る3次試験に向けて研鑽に励まなければならないのに、何もする気が起きない。1日中何もせず家にいたら、1日が終わってしまった。
そんな今日。あいにく外は大雨。
午前中にGTYから電話があった、「今日暇だったら、S角とそっち(※1)に行くから」
(※1)そっち……自宅がある町。つまり辺境。
ちなみにGTYは、自称グレート・ティーチャー・Y本。大学時代の同期で、大学院卒業後に一発で教員採用試験に合格し現在中学校教諭。S角君も職業こそ違えど同じく大学時代の同期。
2人とも大学卒業後もこうして自分に構ってくれる数少ない貴重な友人たち。
年に1回は辺境に訪れて、別に何をするわけでもなく、近所のファミレスでだらだら喋って帰るだけ。
今年こそどこかに連れて行こうと思うのだが、彼らが連絡をくれるのがいつも当日の午前中。しかも来る時間が遅い(たいてい午後)、遠方から来るので帰りも早い。なので、結局"思う"だけでファミレスで喋って終わってしまう。
わざわざ遠方から来てくれるのに申し訳ないといつも思う。
例年遊びに来る季節は夏(自分の採用試験があるから)。
2次試験前に激励に来てくれることもあれば、2次試験後に様子を聞きに来ることもある。今年は後者。
久々に会ったY本は、予想通り砂漠化が一層進行し現在サバンナ気候(自主規制)。もっとも私に人のことを言う資格は全くないのだが。どういう理由かS角君は砂漠化の食い止めに成功している模様。
おい、何使っているのか教えろ。いや、教えて下さい。お願いします。>S角君
Y本と会うたびに、面接でどんな質問があり何を答えたのか合格の秘訣を聞こうと、考えているのだけど、そのたびに彼は「さぁ……忘れた」と、はぐらかす。
事実、6年も経過していれば当時の面接の内容なんて覚えている方が稀だろうけど。
しかし当時の採用氷河期のど真ん中にあって、よく一発で合格したものだ。たとえ商品券であれ、黄金のモナカであれ(※2)、採用されたという事実は誇って良い。
(※2)商品券であれ、黄金のモナカであれ……もちろん冗談です。
S角君は相変わらず毎日飲んでいるようだ。
と書くと、なにやらどうしようもない大酒飲みの廃人という印象を与えてしまいそうだが、夏はサーフィン、冬はスノーボードを嗜むアクティブな男。
この独身3人組が集まって女の話が何一つ出ないのは、3人とも諦めの境地に入っているか、牽制しているのかどちらか。自分は叩いても埃が一つも出ないほど隠し事が嫌いな人間(※3)なのだが、2人は判らぬ。
(※3)隠し事が嫌いな人間……隠し事がない人間とも言える orz
Y本の話を聞くと、教員とは大変な仕事だと思う。それを自分は目指そうというのだから、よほどのマゾなのかもしれない。
2次試験の面接官の中に校長がいるというのは周知の噂だが、Y本曰く、校長の中には人間的に変なやつが結構多いらしい。(もちろん尊敬できる優秀な人もたくさんいる。と彼は言っていた)そして、わざわざ休日に面接官として仕事を嫌がる校長が多いので、モチベーションは低いことが多い……という話を聞き、そんな連中に面接されて毎年不合格を喰らう自分って……orz
毎年のことながら彼の現場の話は、ナマの声でためになる。おもむろに鞄からハガキを取り出した。
聞くとクラスの生徒全員に出す暑中見舞だと言う。
夏休みが終わる1週間ほど前に暑中見舞を出して、2学期に向けて気を引き締めさせるのだと言う(もちろんハガキは自腹)。
「……ちゃんと色々考えているんだ」感心したようにS角君。自分も同感だ。よくやっていると思う。中学生の頃なんて夏休みにこちらから暑中見舞いを出しても返事が来なかったこともざらだと言うのに。
今の教師はこの一件だけを見ても、本当に頑張っていると思う。
話は今年新採用で入ってきた民間経験者の教師が使えないという内容に。
同じ社会人から教師を目指そうという自分にはなんとも耳が痛いが、一年目から担任を持たせるというのも酷な話だ。
その人に会ったことないのでなんとも言えないが、正直なところ1年目から"使えない"と判断するのは早急だとは思う。少しその言い方が引っかかったので、
「じゃぁ、その人はどこが良くないと思う?どうすれば今後良くなると思う?」
ちょっと意地悪な質問をした。
さすがはY本先生。ただ文句を言うだけの男(※4)ではなかった。
(※4)ただ文句を言うだけの男……文句やケチをつけるのは誰でも出来る。重要なのは改善策を考られるかどうか。
少し考えてから「これだという信念・拘りが本人から感じられない」「もっと生徒と関わるようにすれば良くなると思う」と答えた。彼の持論は
- 教師には周囲がなんと言おうと、「こうなって欲しい」「こうあるべきだ」という信念が必要
- そのためには生徒に"要求"しなければならない
- 例えば掃除の時間や体育祭・文化祭の準備には職員室に籠もっていないで、教室にこまめに顔を出して様子を見に行くべき
……など熱く語ってくれた。
読者のみなさんには興味のない話でしょうが、自分には必要だと思うのであえて書かせてもらいました。
「こうなって欲しい」「こうあるべきだ」という硬直した指導や考えが、今の教育には合わない……と言う人もいるかもしれませんが、自分なりにこう解釈しています。
信念に沿って指導をすれば、内容にぶれが出ない。朝令暮改みたく人によって態度が変わったりしない。そのため教師による「ひいき」がなくなり生徒は安心する。どうだろうか?
夕方になったので、Y本とS角君は雨の中を帰っていった。
……結局、今年もファミレスでしゃべっただけかよ!
今の自分が受験でいっぱいいっぱいなので、ついS角君の近況を聞きそびれてしまうのは毎年の反省点。ごめんなさい。次は根ほり葉ほり聞くから。
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